■契約書作成費用って違法じゃないの?
賃貸物件を借りる際、初期費用に「契約書作成費用」や「事務手数料」などの名目で追加料金が請求されるケースがあります。これについて、「違法ではないのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。
原則として、賃貸仲介会社が借主から受け取れる報酬は「仲介手数料(賃料の1.1か月分以内)」のみと宅地建物取引業法で定められています。仲介業者がこれ以外に「契約書作成費用」や「事務手数料」を名目に追加で請求することは、法律違反にあたる可能性が高いです。国土交通省も「仲介業者は、仲介手数料以外に報酬を請求してはならない」と明確に示しています。
■立場によって違法ではない
一方で、契約の相手方である「貸主(オーナー)」や、その代理である「管理会社」が契約書作成費用や事務手数料を請求するケースもあります。この場合、宅建業法上の「報酬」ではなく、「賃貸借契約に付随する実費」として位置づけられるため、必ずしも違法とは限りません。
つまり、貸主や管理会社が請求しているのであれば、必ずしも違法行為とはいえないのが現状です。
ただし、ここでも注意すべき点があります。
賃貸住宅管理業法(2021年施行)では、管理会社が借主に対して不当な費用請求をしてはならないとされています。過度に高額な事務手数料や、実態のないサービスに基づく費用請求は、「不当な勧誘」として問題視される可能性があるのです。また、事前に費用の説明と同意を得る義務も課されており、説明なしに請求することは認められていません。
実務上は、事務手数料3,300円~11,000円程度が相場となっており、これを「事務コスト」として貸主側が設定するケースが多いです。ただし、借主側から見ると、「初期費用が不透明」「実態がわかりにくい」と感じる原因にもなっています。
■まとめ
・仲介会社が仲介手数料以外に請求するのは基本的に違法。
・貸主や管理会社が契約書作成費用・事務手数料を請求するのは違法ではないが、説明義務や適正な金額である必要がある。
・不当な高額請求や、説明なしの請求は違法となる場合がある。
つまり、借りる側も契約前に「この費用は誰に支払うものか?」「この金額の根拠は何か?」をしっかり確認することが大切です。
■youtube動画の台本
賃貸契約に関する初心者向けセミナー。
【登場人物】
やまだ:素朴な疑問を持った女の子(参加者)。不動産業界はまだ慣れていない。
講 師:不動産屋で働くベテラン社員。現場経験が豊富。
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やまだ
あのー、すみません!ちょっと聞いてもいいですか?
講師
はい、もちろんです、山田さん。どうぞ!
やまだ
賃貸を借りるときって、初期費用に『契約書作成費用』とか『事務手数料』とか書かれてることがあるんですけど…。
あれって、違法じゃないんですか?
講師
すごく良い質問ですね!
結論から言うと、誰が請求しているかによって違ってきます。
やまだ
えっ、どういうことですか?
講師
まず、仲介会社が借主さんに請求できるのは、基本的には『仲介手数料』だけ。
これは宅地建物取引業法という法律で決まっています。
やまだ
そうなんですね。
講師
もし仲介会社が『仲介手数料』以外に『契約書作成費用』とか『事務手数料』を取っていたら、それは違法の可能性が高いんです。
やまだ
えー、じゃあ払わなくていいってことですか?
講師
仲介会社から直接請求されたら、少なくとも正当なものか確認する必要がありますね。
でも、注意が必要なのは、貸主さんとか、その代理である管理会社が請求している場合です。
この場合は、必ずしも違法とは限らないんです。
やまだ
え、同じ『契約書作成費用』でも、誰が請求してるかで違うんですか?
講師
そうなんです。
貸主や管理会社が取る場合は、契約に付随する『実費』という扱いになります。
つまり、法律上禁止されているわけではないんです。
ただし、『ちゃんと説明されていて』『適正な金額』であることが前提です。
やまだ
へえ~…。
じゃあ、めちゃくちゃ高い事務手数料とかだったら?
講師
そこもポイントです!
2021年から施行された『賃貸住宅管理業法』では、管理会社が借主に対して不当な金額を請求するのはNGとされています。
過度に高額だったり、説明がなかったりすると、違法になる可能性があります。
やまだ
なるほど…。
ちなみに、普通はいくらくらいなんですか?
講師
だいたい事務手数料は、3,300円~11,000円くらいが一般的ですね。
それ以上高い場合は、しっかり理由を確認した方がいいですよ。
やまだ
わかりました!
契約するときは、『これは誰に払う費用なのか?』『何のための費用なのか?』ってちゃんと聞いた方がいいんですね!
講師
その通りです!
疑問を持たずにサインしちゃうと、後から『こんなはずじゃなかった』って後悔することもありますからね。
いい質問でした!
以上