390676e7.jpg今日はお遍路の本当の意味での最終日。

高野山への旅路だ。

朝、眠い目をこすり、4:30に起床。
宿を5:00に出発。

6:10徳島港行きのフェリーに乗るためだ。

朝早いため、徳島港へのバスが動いていない。

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市内から、港まで歩く事にした。

約3kmの道のりだ。
まだ歩きは終わっていなかった。

まだ、外は暗かった。
歩いているうちに、徐々に明るくなり日の出を迎える。

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なんとか、5:50に到着し、船に乗り込むことが出来た。
時間ギリギリでヒヤヒヤした。

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ついに、この修行の島、四国を離れる時が来た。

寂しさと達成感が半々の気持ちだった。

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船の中で仮眠を取り、8:00過ぎに和歌山港に到着。

南海電車に乗り込み、高野山へ!

着いたのは、11:00を過ぎていた。
意外と遠いねぇ。

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山のふもとの「極楽橋」駅から、ケーブルカーに乗り換え。

そのとき、背の高い外国人を発見。旅行者かな?

ケーブルカーで「高野山」駅に行き、バスに乗り換え。

そのバスの中に、先ほどの外国人が乗車していたので、英語で
話し掛けてみる事に。

英語力が落ちていないかを確かめたかった。
普通に考えれば落ちているに決まってるけど。

基本情報を聞くのは手馴れたもの。

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彼の名は、トーマス。
ドイツ人で、旅行代理店で働いており、仕事(取材?)で高野山を訪れた
ということだ。

ここまでは良かったのだが、自分が何故高野山に来たのか、お遍路とは
何ぞや、ということを説明するのに一苦労。

ボキャブラリーの無さ、応用力の無さが露呈する。
もっと勉強しなきゃね。

さて、「奥の院前」に到着し、バスを降りた僕達はそこで別れた。

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奥の院の入り口には、記念撮影ポイントがあり、あるグループが
まさに写真を撮影しようとしていた。

その写真のシャッターを押すという大役を任された。

快く承諾し、自分の写真のシャッターも押してもらうことをお願いする。

ついでにそのグループの方々と一緒に写真をとる。

これも何かの縁。

後日、メールで写真を送る事を約束。

大阪でカフェをやられているとのことで、機会があれば寄りたいなぁ・・・。

さて、奥の院へ。

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参道は、高い杉の木に囲まれていて、とても静か。
樹齢500年という木もあるらしい。

気持ちがイイというよりも、その雰囲気に鳥肌が立つ。

さすが、世界遺産に登録されただけのことはある。

その参道には両側に無数の墓石が立ち並んでいる。
見てみると有名な企業ばかりだ。

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奥の院の手前にある「御廟橋」。
この橋までお大師様が迎えてくださると言われている。

この先は飲食、撮影禁止だ。

一礼し、橋を渡る。

奥の院の本堂を目の前にしたとき、その存在感というか、何というか
言葉に出来ないが、とにかく圧倒された。

鳥肌どころではなく、全身をなにかオーラのようなものに包まれた感じ。

心臓の鼓動が早くなる。
一種の興奮状態なのかな。

これは今までにない感覚だ。

結願した瞬間や、霊山寺にお礼参りしたときでさえこの感覚はない。

燈籠堂と、そこから左回りに回った御堂の裏にある御廟、そして燈籠堂の地下の
3ヶ所でお参りをする。

入念にお経を読む。
とうとうこれが最後なんだ。

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その後、納経所に行き、納経してもらう。

これで納経帳のすべてのページにお経が入った事になる。

ドラゴンボールを全部集めた時みたいに、神龍が現れたら
最高なのになぁ、と妄想する。

奥の院からはの帰りは、行きと別の道を通る。

木漏れ日の差し込む木立の両側には、武田信玄、上杉謙信など
そうそうたる戦国大名や江戸時代の諸大名の墓碑が立ち並んでいた。

ただし納骨はされていない。

その道中、ある男性と出会い、立ち話をする。

蚊が大量に飛んでいたので、長話が出来なかったが、お互いブログを
書いているとの事で、そこにコメントを書くことで連絡を取り合うことにした。

次は、高野山真言宗の総本山:金剛峯寺へ向かう。
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ここはお礼参りというより見物かな。

拝観料500円を払い、中へ。

・・・・、あまり語るべき事なし。

窓口で高野山のお守りが売っていたので、妻や家族の分を
大量に買い込む。

それを選んでいる時、外国人の団体さんが拝観に訪れた。

また無謀にも話し掛ける。

なんとか意味は通じ、会話が出来た。

しかし、僕のお遍路での苦労話とか、濃い話はできなかった。

でもチャレンジすることに意義があるハズです!

金剛峯寺を出た後、「もう帰ろうかなぁ」という気持ちになってきた。

お寺が多すぎて、どこに行ったらいいかわかんないよ。
朝が早かったので眠いし。

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最後に、「壇上伽藍(だんじょうがらん)」に行って終わりにしよう。

ここは、高野山開山当初、修行をする場所として建立された金堂や
高野山のシンボルである、根本大塔が建っている。

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一回り見たが、感動もなかった。
気持ちの持ち方にも問題があったが。

そして帰路につく。

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この高野山は異国に来た感じだね。

およそ、4km四方の地域には、高野山大学があり、高野山高校があり、
警察、消防署、郵便局など全てが揃っている。

まさに独立した一つの国のようだ。

この山から下りなくとも、十分生きていけそうな雰囲気。

そんな中で毎日お坊さんは毎日修行をしているのだろうか。

高野山駅までバスを使わず、歩いていこうと思い歩いていると
なんと「歩行者通行禁止」になっていた。

バス専用道路らしい。

困ったなと思い、女人堂のおじさんに聞くと、ケーブルカーのふもとの
「極楽橋」駅まで歩いて下りていく山道があるらしい。

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まだ歩きは続くのかぁ・・・。

仕方なく、その山道を歩きでおりる。

意外と気持ちよかった。

そして「極楽橋」駅に着き、電車で実家へ。

僕は戻ってきた。

そして両親や、兄妹との再会。

会話をする中で、多少だが自分の考え方やものの見方が変わっているのが
自分でもわかる。

しかし、それは何も意識せずにお遍路の前と同じ生活をしたら消えてしまうほど
小さく弱弱しいものだ。

それを大事にし、育てていきたいと感じるのだった。

お参り:高野山奥の院、金剛峯寺、壇上伽藍