山頭火の「行乞記」昭和6年ー12/3 | 安 明高 の 生 活

安 明高 の 生 活

日頃の気になること と
坂村真民・種田山頭火さんなどの作品を掲載してます

御先祖の御加護に感謝をし
日本百観音などを参拝の後
お四国を錦札で巡拝できる喜びを感じて
弘法大師・法然上人・親鸞聖人などの魅力を紹介してます。

【南無大師遍照金剛】 * 7

十二月廿七日

 晴后雨、市街行乞、大宰府参拝、同前。

宇佐-25
九時から三時まで行乞、

赤字がさうさせたのだ、

随つて行乞相のよくないのはやむをえない、

職業的だから。……


大宰府天満宮の印象としては樟の老樹ぐらいだらう、

さん/″\雨に濡れて参拝して帰宿した。


宿の娘さん、親類の娘さん、若い行商人さん、

近所の若衆さんが集つて、歌かるたをやつてゐる、

すつかりお正月気分だ、

フレーフレー青春、下世話でいへば若い時は二度ない、

出来るだけ若さをエンヂヨイしたまへ。

十二月廿八日

 晴、汽車で四里、酒壺洞居。


九時の汽車で博多へ、

すぐ市役所に酒君を訪ねたが、忙しいので、

後刻を約して市街を行乞する。


今夜はよく飲んだ、

自分でも呆れるほどだつた、

しかし酔つたいきほひで書きまくつた、

酒君はよく飲ませてもくれるけれど、

よく書かせもする。


市は市のやうにハジキが多い、

十軒に一軒、十人に一人ぐらゐしか戴けない、

ありがたかつたのは、

途上で、中年婦人から五銭白銅貨を一つ、

田舎者らしい人から

一銭銅貨を三枚喜捨せられた事だつた。


この矛盾をどうしよう、

どうしようもないといつてはもう生きてゐられなくなつた、

 

この旅で、私は身心共に一切を清算しなければならない、

そして老慈師の垂誨のやうに、

正直と横着とが自由自在に使へるやうに

ならなければならない。


あゝ酒、酒、酒、酒ゆえに生きても来たが、

こんなにもなつた、

酒は悪魔か仏か、毒か薬か。

 

(青空文庫作成ファイル)より

 

(続きます)

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆  

 

今日も命を授けていただきありがとう (^-^)

二度とない人生

だから 今日が大事、今日が大切 

今日もいい日でありますように 【合掌】

 

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