十二月廿七日
晴后雨、市街行乞、大宰府参拝、同前。
九時から三時まで行乞、
赤字がさうさせたのだ、
随つて行乞相のよくないのはやむをえない、
職業的だから。……
大宰府天満宮の印象としては樟の老樹ぐらいだらう、
さん/″\雨に濡れて参拝して帰宿した。
宿の娘さん、親類の娘さん、若い行商人さん、
近所の若衆さんが集つて、歌かるたをやつてゐる、
すつかりお正月気分だ、
フレーフレー青春、下世話でいへば若い時は二度ない、
出来るだけ若さをエンヂヨイしたまへ。
十二月廿八日
晴、汽車で四里、酒壺洞居。
九時の汽車で博多へ、
すぐ市役所に酒君を訪ねたが、忙しいので、
後刻を約して市街を行乞する。
今夜はよく飲んだ、
自分でも呆れるほどだつた、
しかし酔つたいきほひで書きまくつた、
酒君はよく飲ませてもくれるけれど、
よく書かせもする。
市は市のやうにハジキが多い、
十軒に一軒、十人に一人ぐらゐしか戴けない、
ありがたかつたのは、
途上で、中年婦人から五銭白銅貨を一つ、
田舎者らしい人から
一銭銅貨を三枚喜捨せられた事だつた。
この矛盾をどうしよう、
どうしようもないといつてはもう生きてゐられなくなつた、
この旅で、私は身心共に一切を清算しなければならない、
そして老慈師の垂誨のやうに、
正直と横着とが自由自在に使へるやうに
ならなければならない。
あゝ酒、酒、酒、酒ゆえに生きても来たが、
こんなにもなつた、
酒は悪魔か仏か、毒か薬か。
(青空文庫作成ファイル)より
(続きます)
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今日も命を授けていただきありがとう (^-^)
二度とない人生
だから 今日が大事、今日が大切
今日もいい日でありますように 【合掌】
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