山頭火の「行乞記」昭和6年ー1/4 | 安 明高 の 生 活

安 明高 の 生 活

日頃の気になること と
坂村真民・種田山頭火さんなどの作品を掲載してます

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【南無大師遍照金剛】 * 7

一月四日 曇、時雨、市中へ、泥濘の感覚!
宇佐-25
昨日も今日も閉ぢ籠つて勉強した、

暮れてから元寛居を訪ねる、

腹いつぱいお正月の御馳走になつて戻つた。


一本二銭の水仙が三輪開いた、

日本水仙は全く日本的な草花だと思ふ、

花も葉も匂ひも、

すべてが単純で清楚で気品が高い、

しとやかさ、したしさ、

そしてうるはしさを持つてゐる、

私の最も好きな草花の一つである。


やうやく平静をとりもどした、

誰も来ない一人の一日だつた。
米と塩――それだけ与へられたら十分だ、

水だけは飲まうと思へば、いつだつて飲めるのだが。

 

 しぐれ、どこかで三味を弾いてる
 水兵さんがならんでくる葉ぼたん畑
 今年のお正月もお隣りのラヂオ
 ひそかに蓄音機かけてしぐれる
 けふも返事が来ないしぐれもやう
・ひとり住んで捨てる物なし
 二階ずまゐのやすけさのお粥が出来た
 お正月もすんで葉ぼたんの雨となつて
 さん/″\降りつめられてひとり
 ぬかるみふみゆくゆくところがない
・重いもの負うて夜道を戻つて来た
・戻れば水仙咲ききつてゐる

 

今夜は途上でうれしい事があつた、

Sのところから、明日の句会のために、

火鉢を提げて帰る途中だつた、

重いもの、

どしや降り、

道の凹凸に足を踏みすべらして、

鼻緒が切れて困つてゐると、

そこの家から、

すぐと老人が糸と火箸とを持つて来て下さつた、

これは小さな出来事、

ちよつとした深切であるが、

その意義乃至効果は大きいと思ふ、

実人生は観念よりも行動である、

社会的革命の理論よりも

一挙手一投足の労を吝まない人情に頭が下る。……

 

(青空文庫作成ファイル)より

 

(続きます)

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆  

 

今日も命を授けていただきありがとう (^-^)

二度とない人生

だから 今日が大事、今日が大切 

今日もいい日でありますように 【合掌】

 

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