十二月廿一日 晴后曇、行程五里、熊本市。
昨夜、
馬酔木居で教へられた貸家を見分すべく、
十時、約束通り加藤社で雑誌を読みながら待つてゐたら、
例のスタイルで元寛さんがやつてきた
(馬酔木さんはおくれて逢へなかつたので残念)
連れ立つて出町はづれの若い産婆さん立石嬢を訪ね、
案内されて住む人もなく荒れるにまかした
農家作りの貸家へ行く、とても住めさうにない、
広すぎる、暗すぎる――
その隣家の一室に間借して
独占してゐる五高生に同宿を申込んで家主に交渉して貰ふ、
とても今日の事にはない、
数日後を約して、私は川尻へ急行する、
途中一杯二杯三杯、
宿で御飯を食べて寝床まで敷いたが、
とても睡れさうもないし、
引越の時の事もあるので、電車でまた熊本へ舞ひ戻る、
そして彼女を驚かした、
彼女もさすがに――私は私の思惑によつて、
今日まで逢はなかつたが――
なつかしさうに、同時に用心ぶかく、
いろ/\の事を話した、
私も労れと酔ひとのために、
とう/\そこへ寝込んでしまつた、
たゞ寝込んでしまつたゞけだけれど、
見つともないことだつた、
少くとも私としては恥ざらしだつた。
枯草ふんで女近づいてくる
枯草あたゝかう幸福な二人で(元寛君へ)
・住みなれて枯野枯山
・道はでこぼこの明暗
・ふりかへるふるさとの山の濃き薄き
十二月廿二日 曇、晴、曇、小雪、
行程五里、本妙寺屋。
一歩々々がルンペンの悲哀だつた、
一念々々が生存の憂欝だつた、
熊本から川尻へ、川尻からまた熊本へ、
逓信局から街はづれへ、街はづれから街中へ、
そして元寛居であたゝかいものをよばれながら
あたゝかい話をする、
私のパンフレツト三八九、
私の庵の三八九舎もだん/\具体化してきた、
元坊の深切、和尚さんの深切に感謝する、
義庵老師が最初の申込者だつた!
寒くなつた、
冬らしいお天気となつた、風、雪、そして貧!
(青空文庫作成ファイル)より
(続きます)
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今日も命を授けていただきありがとう (^-^)
二度とない人生
だから 今日が大事、今日が大切
今日もいい日でありますように 【合掌】
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