山頭火の「行乞記」昭和5年ー12/14 | 安 明高 の 生 活

安 明高 の 生 活

日頃の気になること と
坂村真民・種田山頭火さんなどの作品を掲載してます

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【南無大師遍照金剛】 * 7

十二月廿一日 晴后曇、行程五里、熊本市。
宇佐-25
昨夜、

馬酔木居で教へられた貸家を見分すべく、

十時、約束通り加藤社で雑誌を読みながら待つてゐたら、

例のスタイルで元寛さんがやつてきた

(馬酔木さんはおくれて逢へなかつたので残念)

 

連れ立つて出町はづれの若い産婆さん立石嬢を訪ね、

案内されて住む人もなく荒れるにまかした

農家作りの貸家へ行く、とても住めさうにない、

広すぎる、暗すぎる――

その隣家の一室に間借して

独占してゐる五高生に同宿を申込んで家主に交渉して貰ふ、

とても今日の事にい、

 

数日後を約して、私は川尻へ急行する、

途中一杯二杯三杯、

宿で御飯を食べて寝床まで敷いたが、

とても睡れさうもないし、

引越の時の事もあるので、電車でまた熊本へ舞ひ戻る、

そして彼女を驚かした、

彼女もさすがに――私は私の思惑によつて、

今日まで逢はなかつたが――

なつかしさうに、同時に用心ぶかく、

いろ/\の事を話した、

 

私も労れと酔ひとのために、

とう/\そこへ寝込んでしまつた、

たゞ寝込んでしまつたゞけだけれど、

見つともないことだつた、

少くとも私としては恥ざらしだつた。

 枯草ふんで女近づいてくる
 枯草あたゝかう幸福な二人で(元寛君へ)
・住みなれて枯野枯山
・道はでこぼこの明暗
・ふりかへるふるさとの山の濃き薄き


 十二月廿二日 曇、晴、曇、小雪、

      行程五里、本妙寺屋。

一歩々々がルンペンの悲哀だつた、

一念々々が生存の憂欝だつた、

熊本から川尻へ、川尻からまた熊本へ、

逓信局から街はづれへ、街はづれから街中へ、

そして元寛居であたゝかいものをよばれながら

あたゝかい話をする、

私のパンフレツト三八九、

私の庵の三八九舎もだん/\具体化してきた、

元坊の深切、和尚さんの深切に感謝する、

義庵老師が最初の申込者だつた!
寒くなつた、

冬らしいお天気となつた、風、雪、そして貧!

 

(青空文庫作成ファイル)より

 

(続きます)

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆  

 

今日も命を授けていただきありがとう (^-^)

二度とない人生

だから 今日が大事、今日が大切 

今日もいい日でありますように 【合掌】

 

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