十二月十五日 晴、行程二里、そして汽車、熊本市、彷徨。
けふも大霜で上天気である、
純な苦味生さんと連れ立つて荒尾海岸を散歩する
(末光さんも純な青年だつた、きつと純な句の出来る人だ)、
捨草を焚いて酒瓶をあたゝめる、
貝殻を拾つてきて別盃をくみかはす、
何ともいへない情緒だつた。
苦味生さんの好意にあまえて汽車で熊本入、
百余日さまよいあるいて、
また熊本の土地をふんだわけであるが、
さびしいよろこびだ、
寥平さんを訪ねる、
不在、馬酔木さんを訪ねて夕飯の御馳走になり、
同道して元寛さんを訪ねる、
十一時過ぎまで話して別れる、さてどこに泊らうか、
もうおそくて私の泊るやうな宿はない、
宿はあつても泊るだけの金がない、まゝよ、
一杯ひつかけて駅の待合室のベンチに寝ころんだ、
ずゐぶんなさけなかつたけれど。……
・あてもなくさまよう笠に霜ふるらしい
寝るところがみつからないふるさとの空
・火が燃えてゐる生き物があつまつてくる
□
起きるより火を焚いて
悪水にそうて下る(万田)
磯に足跡つけてきて別れる
耕す母の子は土をいぢつて遊ぶ
明日の網をつくらうてゐる寒い風
別れきてからたちの垣
身すぎ世すぎの大地で踊る
・夕べの食へない顔があつまつてくる
・霜夜の寝床が見つからない
(青空文庫作成ファイル)より
(続きます)
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今日も命を授けていただきありがとう (^-^)
二度とない人生
だから 今日が大事、今日が大切
今日もいい日でありますように 【合掌】
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