十二月七日 晴、行程四里、二日市町、わたや(三〇・中)
早く眼は覚めたが――
室は別にして寝たが――
日曜日は殊に朝寝する時雨亭さんに同情して、
九時過ぎまで寝床の中で漫読した、
やうやく起きて、
近傍の大仏さんに参詣して回向する、
多分お釈迦さんだらうと思ふが、
大衆的円満のお姿である、
十一時近くなつて、送られて出立する、
別れてから一時頃まで福岡の盛り場をもう一度散歩する、
かん酒屋に立ち寄つて、
酢牡蠣で一杯やつて、
それでは福岡よ、さよなら!
ぽか/\と小春日和だ、
あまり折れ曲りのない道をこゝまで四里、
酔が醒めて、長かつた、労いた
夕飯をすまして武蔵温泉まで出かけて一浴、
また一杯やつて寝る。
朝日かゞやく大仏さまの片頬
まともに拝んで、まはつて拝む大仏さま
師走の街のラヂオにもあつまつてゐる
・小春日有縁無縁の墓を洗ふ
送らるゝぬかるみの街
おいしいにほひのたゞよふところをさまよふ
ぬかるみもかはくけふのみち
・近づいてゆく山の紅葉の残つてゐる
・どつかりと腰をおろしたのが土の上で
・三界万霊の石塔傾いてゐる
ころがつてゐる石の一つは休み石
・酔がさめて埃つぽい道となる
からだあたゝまる心のしづむ(武蔵温泉)
福岡の中州をぶら/\歩いてゐると、
私はほんたうに時代錯誤的だと思はずにはゐられない、
乞食坊主が何をうろ/\してると
叱られさうな気がする(誰に、――はて誰にだらう)。
すぐれた俳句は――
そのなかの僅かばかりをのぞいて――
その作者の境涯を知らないでは十分に味はへないと思ふ、
前書なしの句といふものはないともいへる、
その前書とはその作者の生活である、
生活といふ前書のない俳句はありえない、
その生活の一部を文字として書き添へたのが、
所謂前書である。
(青空文庫作成ファイル)より
(続きます)
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今日も命を授けていただきありがとう (^-^)
二度とない人生
だから 今日が大事、今日が大切
今日もいい日でありますように 【合掌】
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