山頭火の「行乞記」昭和5年ー11/20 | 安 明高 の 生 活

安 明高 の 生 活

日頃の気になること と
坂村真民・種田山頭火さんなどの作品を掲載してます

御先祖の御加護に感謝をし
日本百観音などを参拝の後
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弘法大師・法然上人・親鸞聖人などの魅力を紹介してます。

【南無大師遍照金剛】 * 7

 十一月廿三日 曇、時雨、下関市、地橙孫居。
宇佐-25
相変らずの天候である、朝の関門海峡を渡る、

時雨に濡れて近代風景を観賞する、

舳の尖端に立つて法衣を寒風に任した次第である、

多少のモダーン味がないこともあるまい。


門司風景を点綴するには

朝鮮服の朝鮮人の悠然たる姿を添へなければならない、

西洋人のすつきりした姿乃至どつしりした姿も、

そして下関駅頭の屋台店(飲食店に限る)、

門司海岸の果実売子を忘れてはならない。


約束通り十時前に源三郎居を訪ふたが、

同人に差閊が多くて、主客二人では句会にならないで

けつくそれをよい事にして山へ登る、

源三郎さんはりゆうとした現代紳士型の洋装、

私は地下足袋で頬かむりの珍妙姿、

さぞ山の神――字義通りの――もおかしがつたであらう。


下関から眺めた門司の山々はよかつたが、

近づいて見て、登つて観て、一層よかつた、

門司には過ぎたるものだ。


『当然』に生きるのが本当の生活だらうけれど、

私はたゞ『必然』に生きてゐる、

少くとも此二筋の『句』に於ては、『酒』に於ては!

 

・燃えてしまつたそのまゝの灰となつてゐる
 風の夜の戸をたゝく音がある
 風の音もふけてゐる散財か
 更けてバクチうつ声
 あすはあへるぞトタン屋根の雨
・しんみりぬれて人も馬も
 夢がやぶれたトタンうつ雨
・きちがい日和の街をさまよふのだ
・ま夜中の虱を這はせる
 あの汽車もふる郷の方へ音たかく
 地図一枚捨てゝ心かろく去る

    □
 すこし揺れる船のひとり
 きたない船が濃い煙吐いて
 しぐるゝ街のみんなあたゝかう着てゐる
 しぐるゝや西洋人がうまさうに林檎かじつてゐる
 あんな船の大きな汽笛だつた
 しぐれてる浮標が赤いな

    □
 風が強い大岩小岩にうづもれ
 吹きまくられる二人で登る
 好きな僕チヤンそのまゝ寝ちまつた
(源三郎居)
・このいたゞきにたゞずむことも

・水飲んで尿して去る
 水飲めばルンペンのこゝろ
・雨の一日一隅を守る

(青空文庫作成ファイル)より

 

(続きます)

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆  

 

今日も命を授けていただきありがとう (^-^)

二度とない人生

だから 今日が大事、今日が大切 

今日もいい日でありますように 【合掌】

 

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