5月3日(金)
ソウル2日目の朝。
私たちが朝食に選んだのはホテルから近いお粥のお店「松粥」。
香港で食べたお粥が大のお気に入りだった夫のために、ソウルでいただく一食目の朝食はお粥にしようと決めていたの。
 
ネットでホテル近くのお粥屋さんを調べてヒットしたのがこの店。でも、その店のネットでの口コミは、良いものもあるけれどイマイチなのもチラホラ。
どうやら、お店一推しのアワビ粥の値段が高すぎて不人気らしい。
もともと高級素材の食事を朝っぱらから食べる気など一切ないので、「高いものを注文しなきゃいいよね」くらいの軽い気持ちでお店に向かったの。
 
お店は私たちの他には日本人旅行客が二組いる程度で混んでいない。
お店はさっぱりときれいに掃除されていて感じが良い。
お店のアジュマが、私たちが着席すると日本語メニューを持ってきてくれた。
しばし悩んで私は鶏粥を、夫は海老粥をメニューを指差して注文。
 
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ところが、ほどなく運ばれてきたお粥を見てびっくり。
夫の頼んだ海老粥ではなく、牡蠣粥が運ばれてきたんだもん。
「違うんだけどどうする?替えてもらう?」
「いいよべつに。高い値段のものが運ばれてきたら嫌だけど、同じ値段だし」
 
と、夫はアジュマに文句言うことなく、出されたものをおとなしく食べることにしたんだ。でもそれが間違いだった。
夫は粥を一口食べると微妙な表情を浮かべ、その後押し黙って食べ進める。
 
「どうしたん?おいしくないの?」
と尋ねて、夫の食べる粥を一口スプーンですくって食べてみる。
「うっ。ナニコレ?」
口中に広がった味は、日本人が想像する牡蠣粥とは似ても似つかぬ味だった。
 
生臭みを消すためなのか、コショーが効きすぎていて、コショー粥と名付けたほうがいいんじゃないかという代物で、しかもくどい。
朝っぱらからこんなくどいお粥なんて、日本人の口に合うはずがない。
私が食べる鶏粥のほうはくどくないけれど、牡蠣粥はいまいちすぎる。
 
まずいものを我慢して食べ続けるのは気の毒なので、途中から夫とお粥を交換して、私が食べることにしたんだけど、いやぁ不味かった。(^_^;)
海老粥だったら多分不味くなかっただろうから、間違って運ばれてきたときに、遠慮せずに注文と違うと言えばよかったなぁ。そこが後悔するところ。
 
ところで、私たちの入店後にお客さんがどんどん入ってきて、地元のお客さんもチラホラ見かけたよ。特筆したいのは、地元のお客さんたちは日本人が頼む高いお粥ではなくて、リーズナブルな「かぼちゃ粥」を頼んでいたこと。
 
付け合わせのトンチミ(大根の水キムチ)を、かぼちゃ粥の中にダンクしておいしそうに頬張っている地元客を見て、
「オレもあれにしておけばよかったな・・・やっぱり韓国人も朝っぱらからくどい粥なんて食べたくないよな」と、つぶやく夫。哀れなり。(^_^;)
 
さて注文を間違えたアジュマはいかにも韓国人。
私たちの隣の席の日本人客が、お勘定をするためにレジに向かうのがゆっくりなのが我慢できないらしく、レジに立って「パリパリ」と急かしていたんだもん。
 
パリパリとは、「早く急いで!」と言う意味で、「この言葉を韓国人はしょっちゅう使いますよ」と韓国語の先生は言っていたけど、まさかここで聞くとは思わなかったよ。(゚Д゚;)
 
店内は込み合っているということもなく、忙しいわけでもないのに、普通にゆっくりと席を立つお客に向かって「パリパリ」と急かせるなんて、本当に嫌な感じ。
きっとあのアジュマは、「日本人はパリパリの意味などわかんないだろうな」と思って言ったんだろうけれど、お客に対して失礼にもほどがある。
もうこんな店二度と行かないと心に誓ったよ。
 
この店の店名は漢字の「松粥」だし、日本語メニューも備えていて、店主は日本語ができるとネットで書かれているしで、日本人ウェルカムな印象を受けるけれど、本当にそうなのかな?
 
日本人観光客は単価の高い粥を注文してくれるし、注文を間違えてもがまんしてくれるし、急かされても怒らない。
日本人相手の商売はまったく楽でいいねぇと、思っているんじゃなかろうか?
 
とにかく、この店は他にもいまいちなこと多し。
パンチャンのキムチが不味い。
塩辛はしょっぱすぎて、味の濃い粥に合わない。
粥の量が少ない。そして、少ないのに値段が高い。
 
香港のお粥はおいしかったけど、ソウルのお粥は何処で食べてもこんなものかなぁ?
探せばソウルにもおいしいお粥のお店があるだろうけれど、初めての出会いが印象悪いと、もう二度と食べたくなくなるよ。
 
このお店、韓国粥業界の足を引っ張ってるかもね。
 
ソウル旅行(10)に続く~