深山(そば・大山) | C.I.L.

深山(そば・大山)

※以前は大山にありましたが、現在は下赤塚に移転して営業中です。


■深山(そば)
住所:東京都板橋区赤塚2-10-14 (のとやの前の通りを駅と反対方向に進む)
TEL:03-6904-3481
営業時間:11:00~14:30 17:30~22:00
定休日:月
サイト


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今日紹介するのは、随分前から 「紹介しよう……紹介しよう……」 と思っていたものの、なぜかタイミングが合わなくて中々チャンスがなかったお店である。


C.I.L(Charismatic Itabashi Lover)
蕎麦屋 (風) 居酒屋 「深山」

あえて自分から 「蕎麦屋風です!」 と言ってしまうところが潔いが、この店は 「蕎麦屋で一杯引っ掛ける」 ではなく、「その辺の蕎麦屋よりずっと美味い蕎麦が食える居酒屋」 という路線をひた走る面白いスタイルである。

何が凄いって、明らかに蕎麦屋の物ではない店先のメニュー看板の文字量が、もはや笑いの域に達している。和食系という共通点があるのかと思いきや、こっそり 「サーロインステーキ」 とか書いてあるし、本当にお前は何屋なんだと。

だからこそ 「蕎麦屋風居酒屋だ!」 と自称するしかないんだろうなあ。(妙に納得)


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お蕎麦のメニューは少数精鋭で、街の蕎麦屋価格からするとちょっと高い。純然たる蕎麦屋だと思って入ると、このメニューを見た時点で正直ガッカリするかもしれん。


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それに引き換えツマミや1品料理の方は文字数ビッシリ!このグランドメニュー以外にも、店内のホワイトボードに日替わりのオススメメニューがあれこれ載っているので、本当に普通の居酒屋として通用する品数なのだ。

しかもどれもこれもやたらと酒が進みそうな文字列ばかりで、そのお酒自体の品揃えもいい。特に 「揃ってるなー」 と思うのは焼酎だが、日本酒なんかも地味に一通り置いてあるので、焼酎・日本酒をメインで嗜む飲兵衛に特にオススメ。

ただ、板橋というと 「とにかく激安!」 というイメージを持たれやすいのだが、それを期待されるとちょっと困るかも。あくまで適正価格で楽しめますというお店なので、その辺は事前に考慮しておこう。


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というわけで、まずはお通しから。この日は煮こごりと山椒風味の和え物という和風路線。


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これで日本酒(確か正雪?) をチビチビやりながら大人タイム開始。

なんだか今日はジェントルかつセレブ(笑) な夜になりそうだぜ。


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ハムカツ。しかも魚肉ハム使用。

「おいおいどこがセレブなんだよ!」 という声が聞こえなくもないが、だって仕方ねえだろ!メニューに 「ハムカツ(魚肉)」 なんて堂々と書かれたら頼んじゃうじゃん!

この 「あえて魚肉と堂々と明記する」 ってのは玄人の技ですよ。素人には真似できないガチンコ路線ですよ。実に分かってらっしゃる。

しかも食べてみると想像したよりもずっと上品に仕上げてあってうめえ。


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続いてほっけ。

ほんとね、我ながらどこがセレブなのか問い詰めたい。わざわざ正雪なんていい酒を飲んでるのに、アテが魚肉ハムカツとほっけとかもうね。

そういうの最高!

ちなみにこのほっけも、場末の居酒屋のゲス路線をひた走るようなタイプではなく、ほどよく脂の乗ったお上品路線。うめえ、ほっけうめえ。


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野ぜりの天ぷら。

実はこれ、お店の人がサービスでその場にいた客全員に振る舞っていた。厚みがあってサクサクで間違いなく金を取るべき出来栄えなのに、それを惜しげもなく 「漏れなくプレゼント」 にしてしまう適当さがたまらない。


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文字列を見ただけでウズウズしてしまったネギトロ(?)納豆。いわゆるバクダンのような内容で、納豆とマグロの他にネギや青のりや胡麻なんかがふんだんに入っている。こいつを海苔で巻くなりして食べるのだが……

せっかくの正雪が台無し♪

あまりにオレの好みはゲスすぎる!これはダメだ!いい酒をチョイスしてもツマミはゲス路線な物ばかり選んでしまう!病気か!?


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と思ったら、店の主人が 「変な風に端が残っちゃったんでー」 と言いつつ、またも客全員に漏れなくプレゼントキャンペーンを開始。

それで出て来た刺身が 「だからちゃんと金取れよ!」 と言いたくなるほど美味いタコとマグロだったもんだからビックリ。マグロっていうか、これは立派なトロじゃねえか!タダでばら撒くなよ!鳩山政権かお前は!

ばら撒き政治ならぬばら撒き蕎麦屋!許せない!糾弾すべきだ!


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いい加減に色々と食べたので、〆メニューからカレーをチョイス。

蕎麦屋といえばカレーだぜ!と思って頼んだんだが、注文の際にホールのお姉さんがこっそりと 「ウチのはベースがレトルトだけどいい?」 と、これまた客商売に向いてないんじゃないかという正直さを発揮。

いいじゃないか蕎麦屋でレトルトカレー!何の文句もないぞ!

しかし食べてみたら単なるレトルトではなく、チーズが入っていたり、他にもスパイスを自分で足したりして味を調整しているような印象を受けた。

その辺で売ってるレトルトのカレーと比べるとずっと風味が良かったんで、ガラムマサラとかクミンとかを後で足してるんじゃないかなあ。

てかコレ美味いって。呑んだ後に強烈に食べたくなる癒し系のカレーだ。


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そして蕎麦屋なんだから蕎麦を食べようよという事で、たぬきそばをチョイス。この店の蕎麦は太めで、田舎蕎麦風の無骨な外見をしている。大きめのツブツブが入っていたので、もしかすると挽き包みなのかも。

しかし田舎蕎麦風に見えるというのはあくまで外見だけの話で、食べてみるとボソボソ感や粉っぽさはなく、上手い具合にズルズルっと食べれてしまう。やっぱある程度水分のある蕎麦の方が食べてて気持ちいいよねえ。こんなに太いのに食べ辛さを感じないってのは、ツナギとのバランスがいいのかも。

やっぱセンスのある人が作る蕎麦ならツナギが入った方が美味いと思う。巷の十割信仰のせいでこういう蕎麦の立場が悪くなっちゃってるのが気に入らないよなあ。

なんだろうな、あの十割って点だけに目が向いちゃって、そこだけでしか蕎麦を評価できないヤツらって。温泉の 「かけ流しじゃなきゃ認めない!」 「成分は濃ければ濃いほどいい!」 みたいなバカげた信仰と全く同じで、それって文化をダメにする要因だぞ?

と、毒を吐くのはこの辺にして、もっと大事な事を言っておかねばならん。

この店はつゆがうめえ。

蕎麦も美味いが、それ以上につゆの味の決め方がステキ。甘味は抑え気味で、ダシと醤油の風味メインで組み立ててるので、店主の味付けのセンス自体がいいんだろうなと。



■総評
味:☆☆~☆☆☆(味付けのセンスが好き)
値段:☆~☆☆(地域の相場からすると若干高め?)
品揃え:☆☆☆
店の雰囲気:☆☆
接客:☆☆☆
遠征:☆
デート:☆☆(いい具合にのんびりした空気なので力を抜いたデートに最適)
DQN率:?

備考:のんびりした空間で、店主が好き勝手に作る料理をつまみながら上等な酒を呑み、〆に気の利いた蕎麦をズズっとすすって帰るというステキな時間が過ごせる店である。ここは若者よりも30代以上の人間の方が満喫できると思う。やはり純然たる蕎麦屋として考えると少し物足りなさがあるんだが、居酒屋テイストというそれに代わる魅力があるので、その辺の使い方さえ間違えなければとても楽しい。この "楽しい" ってのが深山の最大の魅力と断言しちゃう。

ちなみに二階には座敷もあるので、それなりの人数にも対応してくれます。


■深山(そば)
住所:東京都大山東町38-4
TEL:03-3963-1558
営業時間:11:30分~14:00 17:00~23:00
定休日:日祝
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