はるばる海を越えて愛媛県は久万高原へ来ています。


午後から雨の予報が出ていましたが、自宅を出た時はまだ空は明るかったのですが、瀬戸大橋を渡る時風が強くて車が煽られて、何度かハンドルを取られそうになりました。



途中で朝ごはん兼早めの昼ごはんでうどんを食べ、松山から南下し、国道から山へ向かう道に入ったまではよかったのですが、少し行った所から舗装がなくなり…びっくり



未舗装のガタガタ道を1時間近く走り、



雨も結構強くなり、霧が出てきてさすがに不安になった頃、目的地のゲストハウスの看板を見つけ、ほっとする間もなくさらに曲がりくねった細い道を下って下って…

本当にこの道で大丈夫か〜?と思った頃、やっと到着。後で聞いたら裏道だったらしく、ゲストハウスの前からはちゃんと舗装された道になっていた ガーン




ゲストハウスはステキな木造の2階建てのバンガロー。薪ストーブがあって、ちょっと「わら」を思わせる建物。しかもキャンセルがあったとかで今回の参加者は私一人!



一人でこの広い空間を独占です〜お願い



えっと、何のためにここに来たかと言うと、葛から糸績みするやり方を学ぶためにはるばるやって来たのです。



葛と言うとピンとこない人が多いのですが、道端や河原にもっさり生えてるマメ科の植物で、根っこから葛粉が採れるアレです。
結構どこでも生えてて、当たり前過ぎて見逃してる人も多いと思いますが、根っこは漢方の生薬としても使われ、お花からは薬効の高いアロマオイルが取れ、茎の繊維からは大昔から上質の布が作られてきています。


ゲストハウスで一息ついてから、早速実技の始まりです。最初の予定では、河原で葛を取ってくる事になっていたのですが雨が降っていたので糸績みから。



光り輝く葛の繊維。上の状態から細く割いて繋いで下のような糸にしていきます。

もちろん、私にはこんな細い糸は作れないので、もう少し太めの糸。



少し糸績みをしていると、雨が小降りになったので、ちょっとでも葛を取りに行きましょう!という事で河原へ移動。

私が精麻で飾りを作っているという話をしたら、「だったら苧麻が生えているので、それも採って来て麻糸も作りましょう!」という事になり、葛と苧麻を採取。





これが苧麻。どこかで見たような…多分探せばその辺に生えている植物。





左下に巻いてあるのが葛の茎。葛はぐらぐら沸かしたお湯で煮立てます。


その間に苧麻の茎から葉っぱを落とし、皮を剥いて水につけておきます。(水に漬けておかないと使えなくなるそう)



さらにその合間にススキが必要という事で、ススキを刈るついでに、ゲストハウスの裏山にあるマザーツリーに連れて行って頂きました。






何年も放置されて見捨てられたようになっていた畑の向こうにこのモミジの巨木が立っていました。まるでジブリの世界です ラブ


それから工房に帰って、剥いた苧麻の皮をオビキして繊維だけを取り出しました。
最初は加減がわからず、ひきすぎて切れたり手加減し過ぎて緑の皮が残り過ぎたり…



何とかこんな感じの繊維が取れました。


働いた後はお手伝いに来てくれているしのぶさんの心のこもった晩ごはん。



この後お話してくれた久万高原の職員で歴史に詳しい学芸員の遠部先生とその家族、葛の先生である鷲野さんご夫婦、ゲストハウスに滞在しながらお手伝いしているアメリカ人の(名前忘れた)男の子、お話を聞きに来てくれた近くの神社の神職の女性と一緒にご飯を食べ、おもむろに始まったのは縄文アクセサリーのお話。



実は、葛の糸もそうなんですが、最近小耳にはさんだ沖縄の貝のアクセサリーが気になっていたところへまさにタイムリーなこのお話。
世界中で作られていたという、タカラガイ、イモガイ、ツノガイのアクセサリー。そのアクセサリーを復元したい!とタカラガイとイモガイを持って来られた遠部先生。沖縄で買って来たというタカラガイのマクラメブレスレットを見せて、こんなのが作りたいと言うので葛の繊維で皆でアクセサリーのワークショップになりました。



見本のブレスレット。




タカラガイと右が葛の繊維、上が苧麻の繊維。
これを使って、それっぽいアクセサリーを…





私が作ったアクセサリー。私が思ってたよりずっとずっと喜んで、作品として作ってほしいとオーダー頂きました ラブ


途中でアメリカ人が作ってくれた桑の実のスコーンと遠部さんの奥様が作った、クロモジの粉で作ったチャイでブレイクタイム。



とっても美味しかったです。