森にひとり住む人は。
ずっと住み慣れたその森を離れることにした。
以前は、その森には仲間がたくさんいた
けれど、何かかが崩れ始め
少しずつ、仲間が減っていった。
自然に居なくなっていった。
そして、いつの間にか一人になっていた。
その森で、ずっとひとりで生活していた。
でも、この森自体が・・・
仲間が消えていったように
消えていくような、そんな気がしてならなかった。
「森を守りたい。」そう思った。
そして、思い出す。
大昔にこの森を出ていった人たちが
違う森で少しずつ、仲間を増やし
それぞれの森で暮らしていることを
小さな頃に聞かされていた話。
その人たちはどうしているんだろうか?
その人たちの森は、大丈夫なのだろうか?
それを確かめたくて、森を離れることにした。
その人は知らない。
その人と同じことが起こり
同じように、森を探しに行こうとしている
大昔ここを離れた仲間がいることを
彼らも同じに、森がなくなると感じていた。