神を信じていた。
人を治す。
苦しみから救う。
それが神の意思だと思った。
けれど、痛みを取り病を治した人が
不幸になっていく
希望を持ち元気な姿で帰っていったのに
元気になったために無理をし
また、私のところにやってくる。
私の手で治っていく者たちは
自分自身の治る力を信じず
私のところに来る。
そうなったとき
人は本来の力をなくす。
私のところにくれば治る。
そう思うことで、人の力を奪っていた。
病に打ち勝つ本来の力を奪ってしまった。
そして、治ることができず
絶望を感じ、私を恨み
神から見放されたと思い
神を恨み、神を信じなくなっていく
神から離れっていってしまう。
私は、私を通し神の意志を伝えたかった。
神を感じて欲しかった。
それだけだった。
私は、神の意思がわからなくなった。
このことに何の意味があるのか
何を私に分からせようとしているのか
今まで、一度も疑うことのなかった
神の意思を疑った。
神のそのものがわからなくなってしまった。
そして、私の力もなくなってしまった。
普通の人になった。
いや、人として当たり前のことすらできないものだった。
大地から天から恵みを受け作物を得
それを食し、また、体を動かし作物を収穫する。
そうして、命をつなげていく
その当たりまえで自然なことすら
知らず、できずに生きてきたことを知らされた。
私は、神の何を知っていたんだろう。
何を伝えようとしていたんだろう。
神の一部分しか見ずに
神の全てを知っているかのように生きていた。
傲慢だった、人を見下す心があった。
私のところに来る人たちの力を
一番信じていなかったのは私だった。