少女は一生所懸命に話した。
言葉が切れないように・・・
ずっと話し続けた。
それは、少女の想いだった。
そうすることで大好きだという気持ちを
少女の中にある愛を懸命に伝えていた。
今の少女にはそうすることでしか
愛していることをあらわせなかった。
笑顔でいてほしいから
楽しい気持ちでいてほしいから
幸せを感じてほしいから
元気になってほしいから
そんな想いで少女は、一所懸命に話した。
けれど、少女の想いは伝わらなかった。
伝わっていないと思った。
それどころか、疎ましがられた。
少女は、悲しかった。
とても寂しく感じた。
でも、その気持ちは、言葉にできなかった。
それでも、少女は何度も話した。
同じ想いで、何度も何度も
チャンスを見つけては語りかけた。
大丈夫だと思っていた。
まだ信じられていた。
少女は草花や動物や石たちは
話を聞いてくれた。
少女の気持ちに応えてくれていた。
皆が、そうなんだと信じていたから
喜んでくれると思っていたから・・・
幸せな姿が見たかった
少しでも笑っていてほしかった
他にやり方を知らなかった
聞いてもらってない、
伝わっていないと感じながらも
話し続けた。
なんどもなんども・・・
愛されていると信じていたから
愛していることを感じたかった。
愛している気持ちに応えてもらいたかった。
愛すれば愛されると信じていた。
それが、自分のいる意味だと思っていた。
でも、それを感じることができなかった。
何もできないと思った。
少女は愛される資格がないと思った。
自分が愛しても人は喜んでくれないと思った。
自分の人を思う気持ちは意味がないんだと思った。
その気持ちには
誰にも応えてはもらえないと思った。
それからの少女は
誰にも何にも応えてはもらえないと思った。
誰が何をしようとすべては他人事に思えた。
自分自身に向けられるのは、
傷つくことばかりしかないんだと思った。
だから、受け取ることをやめた
人とのやり取りをやめた。
そして、少女の周りは、怖い場所になってしまった。
そして、甘えられるのも、頼れるのも
愛されている人だけ・・・
愛する気持ちに応えてもらい
愛されていると感じから
つらい時もうれしい時も
信じてくれる人がいると思えるから
一人じゃないから
自分よりうまくいったり、前に進めたりするんだ
そう思った。
それに気がつかずにいる人が
嫌でうらやましくて腹立たしかった・・・。
そう思う自分も大嫌いだった。
何度も湧きあがる怒りを感じるたびに
少女は、一人で頑張ろう!!
誰にも自分の心を言わず・・・
そんな風に思った。
そうすればいつかそんな気持ちを持つ自分と
サヨナラできると思った。
でも、できない
どうすればいいかも分からずにいた。
ただ、悲しかった気持ち辛かった気持ちを
あの時、正直に言葉にしていれば・・・
今も話し続けられていたかもしれないと思った。