トーキングエイド for iPad用のキーボードインターフェイスを作ってみました | スイッチ工作室

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意思伝達装置に使うスイッチのあれこれ

トーキングエイド for iPadは、外部スイッチ入力に対応しており、製品としてiPadにBluetoothで接続するワイヤレススイッチボックスも販売されています。今回は、iPadに「iPad Camera Connection Kit」や「Lightning - USBカメラアダプタ」などのiPadにUSBポート付加するアダプタに接続するキーボードインターフェイスです。これにスイッチを2つまでつないでキーボードのスペースキーを押したり「h」キーを押したりするのと同じ操作を外部スイッチで行うことができます。今回はFRISKのケースに入れました。

2入力のキーボードインターフェイス


装置の内部は以下のようになっています。今回はATMEL社のATtiny85というマイクロコントローラを使っています。この中にUSBキーボードを真似るプログラムが書かれており、2つあるスイッチ入力の1つはスペースキーに割り当てられており、もう1つは「h」キーに割り当てられています。いずれかのキーが押されている間はLEDが点灯するようになっています。トーキングエイド for iPadの設定を変更することでスイッチを1つだけ使ったり、スイッチを2つ同時に使って操作することができます。

2入力のキーボードインターフェイス内部


過去には同様の機能をMICROCHIP社のPIC18F14K50というマイクロコントローラで作ったものも2種類作っています。1つは電池ケース内に回路を入れたものでもう1つは今回と同様にFRISKのケースに入れたものです。FRISKのケースに入れたものは市販の基板をそのまま使っています。

半透明の電池ケースに入れたもの FRISKのケースに入れたもの


どちらもMICROCHIP社のPIC18F14K50というマイクロコントローラを使っているので、コントローラの内部に書かれているプログラムは同一ですが、外部形状が異なるので、入れられるケースの大きさが異なっています。

今回作ったATMEL社のATtiny85というマイクロコントローラはUSBの機能を内部のプログラムで作っているため動作が少し緩慢です。MICROCHIP社のPIC18F14K50というマイクロコントローラはUSB機能を内部の電気回路で作っているので動作が機敏です。

工作上の違いは電池ケースは半透明の割れやすい樹脂だったのでケースの加工に多くの時間がかかりました。FRISKのケースは弾力のある樹脂なので加工が簡単であまり時間がかかりません。電気回路の作業時間はハンダ付けする部品点数に依存し、すでに部品が取り付けられた基板を組み込むだけのものが短時間に作ることができます。

実際に2入力のキーボードインターフェイスを使っている様子です。初めてこの装置を使用した時に1回だけ「デバイスを認識できません」というメッセージが表示されますが、「OK」ボタンをタップすると以降は正常にキーボードとして使えるようになります。ここでは初登場の2入力スイッチが写っていますが、作り方は後日ご紹介したいと思います。ボールの上に手を載せてボールを前後に転がしてスイッチの操作を行います。

2入力操作の様子