将棋界覇者の歴史(2024.7.14) | 東京の四季(庭園&公園)のブログ

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皇居東御苑・新宿御苑・都立庭園その他東京近郊の庭園・公園を眺め歩きます。また藤井聡太七段を中心に将棋界の動向も

◆稀に見た「将棋戦国時代」の皮切りの立役者は1987年生まれの広瀬章人九段(2005年4月18歳でプロ入り・王位1期・竜王1期)と観て良いでしょう。広瀬九段はプロ入り6年度目、早稲田大学在学中の2010年6月、五段時代に第51期王位戦で挑戦権を獲得六段に昇段。更に2010年9月に深浦康市王位を4勝2敗2千日手で破って初タイトルとなった王位を獲得。翌2011年羽生善治二冠(王座・棋聖)の挑戦を受けて3-4で失冠。その後タイトル戦から遠ざかっていましたが(2015年第56期王位戦で羽生善治王位に挑戦も1-4で敗退)2018年12月第30期竜王戦で羽生善治竜王から竜王を奪取。これにより羽生善治は無冠の九段に。

◆続いて1988年生まれの糸谷哲朗八段(2006年4月17歳でプロ入り・竜王1期〈2014年度・第27期竜王戦・森内俊之竜王に4-1で勝利・翌2015年渡辺明棋王に1-4で敗れて失冠〉)、佐藤天彦九段(2006年10月18歳でプロ入り・名人3期〈2016年度-2018年度〉)、中村太地八段(2006年4月17歳でプロ入り・王座1期〈2017年度〉)が現れ、1990年には豊島将之九段が2007年4月16歳でプロ入り(棋聖〈2018年度〉・王位・叡王・名人各1期・竜王2期)と続き、1年置いて1992年生まれの永瀬拓太九段(2009年10月17歳でプロ入り・叡王1期〈2018年度〉・王座4期〈2019年度-2022年度〉)と菅井竜也八段(2010年4月17歳でプロ入り・王位1期〈2017年度〉)、1993年生まれの斎藤慎太郎八段(2012年4月18歳でプロ入り・王座1期〈2018年度〉)、高見泰地七段(2011年10月18歳でプロ入り・叡王1期〈2017年度〉)と続き、タイトル戦線は取ったり取られたりの状態が続いて「戦国時代」に。これに終止符を打ったのが竜王名人・三冠になった豊島将之九段でしたが、渡辺明九段(1984年生まれ・2000年4月15歳でプロ入り・タイトル31期)が復活して豊島九段に代わって三冠に。その内に2002年生まれの藤井聡太七冠(2016年10月14歳でプロ入り)がスイスイと台頭して2023年9月に八冠全冠制覇を達成。そして2024年6月には藤井聡太七冠と同年齢の伊藤匠七段が叡王を奪取。1994年生まれ以降の棋士はタイトル戦の場に出ることすらままならない状況になっています。

 ◆さて、四冠、五冠と一時代を築くかと思われた豊島九段でしたが復活した渡辺明九段と藤井聡太七冠に追い落としを食らって無冠に転落。糸谷八段もA級から陥落して2期目。両者を含めて2017年度から2018年度にタイトルを獲得して「戦国時代」を形成した棋士たちはまだ30歳前後から30歳代半ばの指し盛りなので奮起を期待したいものです。

◆将棋界の歴史を大雑把に辿って観ると1950年から1958年までが大山康晴・升田幸三2強時代。1959年~1969年までが大山康晴1強時代。1970年~1973年までが中原誠・大山康晴2強時代。1974年から1982年までが中原誠時代と言えると思いますが大山さんが長い間タイトルを1つ持っていて中原完全1強時代というのは短期・点在と見えます。1983年~1988年は不安定ながら中原誠・谷川浩司2強時代。1989年~1994年が谷川浩司・羽生善治2強時代。1995年~2000年が羽生善治1強時代。2001年~2003年が羽生世代時代。2004年から2015年が羽生世代に渡辺明が割り込んだ時代。2016年~2017年が戦国時代。2018年が豊島将之時代。2019年が渡辺明時代。2020年から現在まで藤井聡太1強時代。伊藤匠叡王が二冠、三冠とタイトルを上積みして藤井・伊藤2強時代になるかどうか?