藤井聡太名人・命拾いの大逆転スタート・4月11日の将棋対局結果(2024.4.13) | 東京の四季(庭園&公園)のブログ

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◆4月11日の将棋対局結果

 

(1)第82期名人戦七番勝負第1局2日目

 ※藤井聡太名人(竜王・八冠)は第71期王座戦で王座を奪取して八冠全冠制覇を達成。その後、竜王、王将、棋王と防衛して4月7日から第9期叡王戦が開幕し第1局に勝利。続いての名人戦。名人戦が終れば第95期棋聖戦、第65期王位戦、第72期王座戦、第37期竜王戦とタイトル戦の連続で2024年度を戦うことになります。タイトル戦は無敗の21連勝中で連勝を何処まで伸ばし、八冠をこの先何処まで保持し続けるかが見所の1年になりそうです。

 ※私の予想としては番勝負で藤井八冠に勝ち越すのは至難の業と思え、藤井八冠の一角を崩すのは藤本渚五段と睨んでいるのですが、藤本五段が今年度中に挑戦者に躍り出るかどうか?目下の情勢としては伊藤匠七段の実力が抜きんでていていると思われますが、伊藤匠七段と言えども名人戦を除く7つで挑戦者になるともも思えず、藤本五段が挑戦者になる可能性は無きにしもあらずですが初挑戦で藤井八冠からタイトルを奪取出来るとも思わず今年度中は藤井八冠が八冠を保ち続けそうに思え、面白くなるのは来年の2025年度になるだろうと観ております。

 ※さて、第82期名人戦。豊島将之九段は毎年上半期の成績が良く、2023年度も上半期は14勝5敗、勝率.737でしたが下半期は10勝15敗、勝率.400と酷い落ち込みになりましたがA級順位戦では出だしの6連勝の貯金を辛うじて守って挑戦権獲得。通常の対局は勝敗を度外視して打倒藤井の秘策を模索に全力を費やしていとも考えられますので第1局の出来栄えでシリーズの結果が見えて来そうに思えます。

①藤井聡太名人(竜王・八冠)vs豊島将之九段

 ※対局は午前9時に開始されて藤井聡太名人が先手番を引き16手まで進んで横歩取りになるか相掛かりになるか、という状況。藤井名人が変化球を投じて豊島九段の幻惑を誘う構え。その後、横歩取りに進展し形勢互角で40手目を豊島九段が封じて1日目を終了しました。

 ※2日目は互角の折衝が続いて50手目豊島九段が▽9五角打ちと狭い処に飛車取りの角打ち。これをAIは嫌って藤井58:豊島42の評価。しかし、この角打ちが成功したようで角が働き始めて勝負は白熱化。AIは再三再四藤井名人に▲2七歩と▽2六桂打ちの王手を消す手を示しますが藤井名人は無視して攻め合いを選択。寄せ合いに入って107手目藤井名人の▲2四桂打ちと金取りを掛けたのが拙かったようで豊島九段が勝勢を築きました。藤井名人のタイトル戦の連勝は15で止まると思われましたが藤井名人に止めを刺すのは容易でありません。やっと歩けるような切り立った尾根での戦いですから一寸でもバランスを崩すと一挙に谷底に転落してしまいます。豊島九段122手目の▽4四桂打ちが痛恨の1手。17分残していた状況でノータイムの1着でした。「酷かった」と局後に語ったようですが、これで倒れ掛かっていた藤井名人が体勢を立て直して互角に戻しました。藤井名人は金を見捨てて▲5七玉と桂馬を取って早逃げして玉は簡単に寄らない形に。藤井名人は125手目自玉の詰みを消しつつ▲8八歩打ちで豊島玉の守りにも聞いていた馬の利きを遮ります。これに対し豊島九段は▽7九竜と藤井玉の入玉を阻止する竜回り。これが致命傷となって藤井名人が勝勢となりました。こうなると藤井名人がしくじることはマズありません。127手目眠っていた「▲2九の桂」が▲3七桂と跳ね出して寄せの準備が整いました。藤井名人は敵陣に打った飛車と竜の交換から▲4五桂と目障りな香車を払って3三銀打ちを狙い▽4四銀と打たせてから139手目▲8二飛と馬に当てながら豊島九段の玉の腹を睨む飛打ち。この時点で▲4一銀と王手に捨てる手が取れば詰み、逃げれば受け無しになるという手で▽7七馬と逃げるしか手がないようでしたが豊島九段は▽9八飛打ちと打ちました。藤井名人すかさず▲4一銀打ち。豊島九段3分考えて秒読みになって投了。命拾いの大逆転でタイトル戦連勝は16に繋がりました。豊島九段は藤井名人鉄壁の先手番をブレークして有利なシリーズに持ち込むチャンスを逃がして苦しくなりましたが、出来栄えは良かったので紙一重の戦いが続くシリーズになりそうです。

 

(2)第37期竜王戦1組出場者(5位)決定戦1回戦

②〇丸山忠久九段(先)vs●松尾歩八段

 ※勝った丸山九段は決勝進出で斎藤慎太郎八段と対戦、敗れた松尾八段は4回目の2組降級となりました。

 

(3)第37期竜王戦2組昇級者決定戦Bブロック1回戦

③□増田康宏八段vs■三枚堂達也七段

 ※三枚堂七段は大事な一戦を不戦。何が有ったか心配です。不戦の場合はレート変動はありません。増田康八段は2回戦で深浦康市九段と対戦、三枚堂七段は戦わずして3組へ降級となります。

 

(4)第65期王位戦挑戦者決定リーグ戦白組2回戦

④〇羽生善治九段vs●木村一基九段(先)

 ※第60期王位を獲得した木村九段が好調で2連勝スタート。羽生九段、斎藤慎太郎八段に加えて超新星の藤本渚五段が2勝1敗で追う展開となっています。

 ※羽生九段が勝って3勝1敗として単独首位に立ち白組優勝が濃厚になりました。渡辺明九段と木村一基九段はプレーオフに持ち込めるか?

 

(5)第50期棋王戦予選

・1組3回戦

⑤〇深浦康市九段vs●窪田義行七段(先)

 ※勝った深浦九段は準決勝進出で佐藤紳哉七段vs及川拓馬馬場段戦の勝者と対戦します。

 

・8組3回戦

⑥●畠山鎮八段(先)vs〇藤本渚五段

 ※勝った藤本五段は準決勝進出で齋藤裕也四段と対戦します。

 

(6)第74期王将戦一次予選

・2組3回戦

⑦〇行方尚史九段(先)vs●門倉啓太五段

 ※勝った行方九段は準決勝進出で杉本和陽五段vs山本博志五段戦の勝者と対戦します。

 

・7組3回戦

⑧●久保利明九段(先)vs〇古森悠太五段

 ※勝った古森五段は準決勝進出で森本才跳四段と対戦します。

 

・8組3回戦

⑨〇古賀悠聖六段’先)vs●井田明宏四段

 ※勝った古賀六段は準決勝進出で山本真也六弾vs西田拓也五段戦の勝者と対戦します。

 

(7)第55期新人王戦本戦2回戦

➉〇服部慎一郎六段vs●山下数毅三段(先)

 ※勝った服部六段は3回戦で齋藤裕也四段と対戦します。

 

(8)第32期銀河戦Fブロック4回戦

⑪●徳田拳士四段(先)vs◯森本才跳四段

 ※勝った森本四段は4人抜き。5回戦で飯塚祐紀八段と対戦します。

 

◆将棋連盟 棋士別成績一覧(レーティング)