◆藤井八冠2連覇ならず、
歴代最高勝率更新も黄信号
・2月10日の将棋対局結果
(1)第17回朝日杯将棋オープン戦
・準決勝
①〇永瀬拓矢九段(先)vs●西田拓也五段
※2022年4月以来の2戦目で初戦は永瀬九段(当時王座)が勝っています。
※西田五段の四間飛車に対して永瀬九段は居飛車穴熊で対抗。中盤では西田五段が善戦して一時優勢になりましたが攻め合いで永瀬九段が逆転。入玉を目指す西田五段の駒を取りまくり入玉は許したものの自玉は穴熊から抜け出して悠然と入玉。点数勝負に持ち込んで圧勝。同日決勝で②の勝者・藤井聡太竜王と対戦して勝利。
②藤井聡太竜王(八冠・前回覇者・先)vs糸谷哲朗八段
※藤井竜王が無敗の7連勝中。糸谷八段のレート上の勝率は12%となっていますから勝つ頃合いになっていて何時勝っても不思議ではありませんが藤井竜王が敗ける情景は見えて来ません。
※糸谷八段が攻め勝って藤井戦初勝利かと思いましたが寄せ合いに入って失着が出て逆転。最後は藤井竜王が目の覚めるような電光石火の寄せ技を見せました。勝った藤井竜王は同日決勝で①の勝者・永瀬拓矢九段と対戦しましたが敗退。
・決勝
③〇永瀬拓矢九段(先・①の勝者)vs●藤井聡太竜王(②の勝者)
※矢倉の戦いとなって一進一退の中盤で永瀬九段が竜を作ってから徐々に優勢になり着実に指し進めて藤井竜王から7勝目を挙げて初優勝。優勝賞金750万円を獲得しました。
◆藤井聡太竜王(八冠)はこの日1勝1敗で今年度の成績は42勝7敗、勝率.8571となりました。残された対局は収録済で敗退しているかもしれないNHK杯の5回戦、準決勝、決勝の3局と棋王戦五番番勝負の最大5局ですが、どちらかで1敗して8敗となった場合は歴代最高勝率.8545を抜くためには48勝が必要(48勝8敗・勝率.8571)。
◆48勝を得るにはNHK杯で3勝、即ち優勝、そして、棋王戦で3勝1敗の場合のみとなります。NHK杯で何処で敗退しても記録更新は不可能。決勝で敗退した場合は棋王戦で3連勝すれば5勝が上積みされて47勝8敗、勝率.8545となり、中原誠16世名人の記録に並びます。結論としては既に結果が決まっているNHK杯で優勝していることを祈るばかりになります。
◆将棋連盟 棋士別成績一覧(レーティング)