藤井聡太王将3連覇&千田翔太七段A級八段に・2月8日の将棋対局結果(2024.2.9) | 東京の四季(庭園&公園)のブログ

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◆藤井聡太王将3連覇&千田翔太七段A級八段に

・2月8日の将棋対局結果

 

(1)第73期王将戦七番勝負第4局1日目

①〇藤井聡太王将(八冠・先・4勝)vs●菅井竜也八段(4敗)

 ※昨春の第8期叡王戦では菅井竜也八段の振飛車に苦戦した藤井王将ですが今次王将戦は余裕すら感じさせる指し回しで済杯八段を圧倒。振飛車に打倒藤井の可能性を求めるかのように見える佐藤天彦九段や豊島将之九段などの目論見を打砕くかのように見えます。遅れて開幕された第49期棋王戦第1局は「持将棋」となって1局にカウントされ第4局が成立しましたが王将戦の方は第5局が成立するや否や。「将棋の町」の大看板を掲げて町興しを目論む高槻市では菅井八段の奮戦勝利を神頼みしていることでありましょう。

 ※1日目は角交換から互いに馬を作り合って急戦、乱戦になるかと思いましたが藤井王将が慎重に指し進めて膠着状態になり、39手目で藤井王将が▲5六銀と立ち上がって飛車交換を挑めば菅井八段は95分考えて40手目を封じ手として1日目を終了。

 ※菅井八段の封じ手は飛車交換に講ずる▽4八飛成り。その後は互いに飛車の打ち込みの防ぎに回って再び膠着状態に。しかし、菅井八段の突っ掛けに上手く対応した藤井王将が2筋、3筋からジワジワと前進して菅井陣を圧迫して優勢を確保。石橋を叩いて渡る慎重さで指し進め、斬り合いが始まった時には藤井王将が勝勢になっていて美濃囲いが崩れた時点で菅井八段が投了。藤井王将が王将戦3連覇とタイトル戦無敗の20連勝を記録して故大山康晴15世名人の19連勝を抜いて歴代単独首位に立ちました。

 

(2)第82期順位戦B級1組12回戦

 ※8勝3敗でトップを走る増田康宏七段が抜け番で7勝3敗で2番手に付けている千田翔太七段が勝てば2位以内が確定してA級昇級、八段昇段が決まります。今回対戦相手の屋敷伸之九段には6勝2敗と分が良いので今日で昇級を決めておきたいとことでしょう。敗れて最終戦が勝負となると大橋貴洸七段には1勝2敗なのでプレッシャーが酷くなりましょう。6勝4敗で3番手グループの糸谷哲朗八段と大橋貴洸七段にも4敗を保てばチャンスが有り、両者が揃って敗れると増田康宏七段の昇級、昇段が決まります。最終13回戦も同じ状況なので増田康七段は2回戦残して糸谷八段と大橋七段が共に1つ敗ければ昇級という条件。更には最終13回戦で千田七段と大橋七段が対戦するので千田七段が大橋七段を蹴落としてくれる可能性が有り、糸谷八段は今回が羽生善治九段が難敵。勝敗は全く五分と観て良いでしょう。状況的にはかなり有利な立場に居るとは言え、増田康七段は順位が最下位なので最終戦で敗れて8勝4敗になると先に述べた条件で糸谷八段と大橋七段が共に7勝5敗以下になるか、千田七段が2連敗して7勝5敗で終わった上で糸谷八段か大橋七段のどちらかが7勝5敗になれば昇級が回って来ます。糸谷八段は最終戦がお得意さんの佐藤康光九段が対戦相手なので羽生九段に勝つと1期でA級復帰が濃厚となります。

 ※糸谷哲朗八段が羽生善治九段に敗れて5敗となり、3敗は抜け番の増田康宏七段のみ、4敗も大橋貴洸七段の1名だけとなり千田翔太七段は屋敷伸之九段に勝てば昇級が決まるという状況になりました。千田七段は苦戦したものの寄せ合いで逆転に成功し見事勝利。8勝3敗と増田康七段に並び、なおかつ順位が上位で首位に立ち、最終戦で敗れても2位以内が確定してA級昇級が決定。29歳のA級八段誕生となりました。B級1組昇級後4期目での昇級。昨年度は敗け越してスランプの様相でしたが大分立ち直って来たところに星の潰し合いになったことも味方してくれたようです。

 ※残る1枚の昇級キップは共に昇級したばかりの増田康宏七段(26歳・8勝3敗)と大橋貴洸七段(31歳・8勝4敗)の争いで増田康七段は勝てば昇級、敗けると大橋七段が敗けれてくれないと昇級出来ないという立場、大橋七段は自ら勝って、増田康七段が敗れてくれると昇級という立場。大橋七段の対戦相手は昇級を決めた千田翔太七段(今日は既に八段)で千田八段は勝っても敗けても昇級ですが、1位でA級に乗り込むには勝っておくことが必要で敗けたくない心持ちでありましょう。A級に入って9位からのスタートになるか10位からのスタートになるかということで大橋七段も厳しいところ。対戦成績は大橋七段が2勝1敗で1つ勝ち越しています。一方、増田康七段の対戦相手は屋敷伸之九段で対戦精機は2勝1敗で1つ勝ち越し。

 ※降級争いは既に木村一基九段と横山泰明七段の2名が決まっていて残るは1名。12回戦が延期となった佐藤康光九段(2位・5勝5敗)、5勝6敗の三浦弘行九段(5位)、山崎隆之八段(7位)、屋敷伸之九段(10位)の4名の争い。屋敷九段は最下位なので増田康七段に敗ければ2007年度の第66期以来の逆戻り降級となるので壮絶な一戦になりそうです。

①糸谷哲朗八段(1位・6勝4敗)vs羽生善治九段(6位・5勝5敗)

②澤田真吾七段(4位・6勝5敗)vs佐藤康光九段(2位・5勝5敗)

③近藤誠也七段(3位・5勝5敗)vs木村一基九段(12位・2勝8敗)

④三浦弘行九段(5位・4勝6敗)vs山崎隆之八段(7位・5勝5敗)

⑤千田翔太七段(8位・7勝3敗)vs屋敷伸之九段(10位・5勝5敗)

⑥横山泰明七段(9位・2勝8敗)vs大橋貴洸七段(11位・6勝4敗) 

 

(3)第82期順位戦C級2組10回戦前半

 ※前半戦には7勝1敗でトップグループを形成する冨田誠也四段、高田明浩四段、藤本渚四段の3名全員が登場します。対戦相手は共に4勝4敗で曲者揃いですから足元を掬われる可能性が無きにしも非ず。油断できません。7勝2敗で単独4番手の八代弥七段は抜け番。6勝2敗で5番手グループの8名の内、池永天志五段(10位)、石川優太五段(13位)、岡部怜央四段(22位)、中村亮介六段(26位)、村中秀史七段(37位)の5名が前半戦に登場。直接対決は無いので昇級争いは最終11回戦に縺れ込みますがトップグループの順位が低めなので上位で6勝2敗グループでトップの梶浦宏孝七段(7位)は大いにチャンス有。その下になると池永天志五段(10位)、7勝2敗の八代弥七段(11位)、6勝2敗の石川優太五段(13位)辺りまでが圏内と言えるでしょうか。

※トップ集団3名は揃って勝って8勝1敗となり夫々最終戦に勝てば昇級となります。最終戦の対戦相手は3名とも「勝てそう」なのでこの3名で決まる可能性大。冨田四段と高田四段は3期目、藤本四段は1期目の新鋭でレーティングでA級八段並みの実力者は面目丸潰れといった感じ。私の予想も丸外れ。

⑦〇高野秀行六段(1位・2勝7敗)vs●長沼洋八段(49位・3勝6敗★★)

⑧〇佐々木大地七段(3位・6勝3敗)vs●齋藤裕也四段(53位・4勝5敗)

⑨●遠山雄亮六段(8位・4勝5敗★)vs〇高田明浩四段(18位・8勝1敗)

➉〇谷合廣紀四段(32位・6勝3敗★)vs●山本博志五段(9位・5勝4敗)

⑪〇池永天志五段(10位・7勝2敗)vs●佐藤秀司八段(23位・3勝6敗)

⑫●田村庸介七段(24位・4勝5敗)vs〇冨田誠也四段(12位・8勝1敗)

⑬〇田中悠一六段(44位・3勝6敗★)vs●石川優太五段(13位・6勝3敗)

⑭〇藤本渚四段(52位・8勝1敗)vs●森下卓九段(17位・4勝5敗)

⑮●伊藤真吾六段(19位・4勝5敗★)vs〇佐藤紳哉七段(42位・6勝3敗)

⑯●西川和宏六段(27位・5勝4敗★)vs〇岡部怜央四段(22位・7勝2敗)

⑰●中村亮介六段(26位・6勝3敗)vs〇近藤正和七段(40位・3勝6敗★)

⑱〇渡辺大夢六段(28位・5勝4敗)vs●牧野光則六段(35位・4勝5敗)

⑲〇井田明宏四段(29位・4勝5敗)vs●島朗九段(41位・4勝5敗)

⑳●小林裕士八段(43位・3勝6敗)vs〇村中秀史七段(37位・7勝2敗)

㉑〇横山友紀四段(50位・5勝5敗★)vs●青野照市九段(51位・0勝9敗★★)

【昇級争い】

【降級点争い】

※降級点争いは対象者12名のところ3勝以下の17名で争う状況ですが3勝5敗で9回戦を残している棋士が3名は勝てば安全圏内に入ります。1勝の棋士3名は全員2局残しているので3勝を挙げれば助かる可能性がありますが豊川七段は3勝を挙げても自分より下位に12名居る状況にならないので降級点取得が確定。2勝の棋士4名の内、高野秀行六段(1位)は1局残しで最終戦に勝てば順位に恵まれて助かる可能性がありますが対戦相手が7勝2敗で僅かに昇級の可能性を残している岡部怜央四段なので2勝で終わる可能性大、ということは降級点取得の可能性大ということです。他の3名は4勝目を挙げればセーフ。3勝の棋士は8名で2局残しているのが杉本和陽五段(5位)、今泉健司五段(14位)、阿部光瑠七段(33位)の3名ですが今泉五段と阿部光瑠七段が触接対決で勝者は安全圏へ。杉本和五段は3勝のままでも助かる可能性があります。3勝6敗の5名の内、順位下位の棋士は4勝目を挙げてもアウトになる可能性が有り厳しい状況です。

 

(4)第50期棋王戦予選4組1回戦

㉒●大平武洋六段vs〇小山直希四段

 ※勝った小山直希四段は2回戦で伊藤真吾六段と対戦します。

 

(5)第74期王将戦一次予選

・6組2回戦

㉓●井上慶太九段vs〇脇謙二九段

 ※勝った脇九段は3回戦で竹内雄悟五段と対戦します。

 

・7組2回戦

㉔〇久保利明九段(先)vs●村田智弘七段

 ※勝った久保九段は3回戦で長沼洋八段vs古森悠太五段戦の勝者と対戦します。

 

・8組2回戦

㉕●畠山鎮八段(先)vs〇安用寺孝功七段

 ※勝った安用寺七段は3回戦で山崎隆之八段vs豊川孝弘七段戦の勝者と対戦します。

 

・9組2回戦

㉖●阿部隆九段(先)vs〇狩山幹太四段

 ※勝った狩山四段は3回戦で船江恒平六段vs冨田誠也四段戦の勝者と対戦します。

 

(6)第32期銀河戦Dブロック2回戦

㉗〇藤本渚四段vs●西川和宏六段

 ※勝った藤本四段は4回戦で岡部怜央四段と対戦します。藤本四段はこれまで42勝7敗、勝率.857で歴代最高勝率を再び上回りました。第65期王位戦のリーグ戦が思ったより早く始まったので1敗か2敗する可能性が有り記録更新成るかどうかは微妙ですが銀河戦で6回戦までは勝てそう。更に第74回NHK杯の予選が収録中と思われ、ここで3勝挙げる可能性があるので王位戦リーグが1敗以下で年度を終われば何とか6勝1敗のペースを作れそうな見通しが得られます。

 

◆将棋連盟 棋士別成績一覧(レーティング)