●藤本四段〇伊藤匠七段・1月15日の将棋対局結果(2024.1.16) | 東京の四季(庭園&公園)のブログ

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◆1月15日の将棋対局結果

 

◆30歳を迎えた実力者が藤井聡太八冠に追い付き追い越す力を発揮するとは考えにくく藤井八冠と同年代かそれ以下の若手に期待することになりましょう。古くは大山康晴15世名人に先を越された兄弟子の升田幸三九段(実力制第四代名人)が力関係を逆転して先に三冠に輝いた例がありますが両者の年齢差は5歳。他では6歳9ヵ月年長の加藤一二三九段が中原誠名人を破って名人位を獲得した例などを思い出しますが1回ポッキリのことなので力関係が逆転したとまでは言えないように思います。

◆現在藤井八冠より5歳年長というと26歳の棋士になりますが、思い当たる棋士を列挙すると「増田康宏七段(26歳)」、「本田奎六段(26歳)」、「斎藤明日斗五段(25歳)」、「服部慎一郎六段(24歳)」程度でしかも彼らはまだトップ棋士の域まで達していない発展途上。そうなると期待は藤井八冠と同年齢の「伊藤匠七段(21歳)」と17歳でプロ入りして初年度の今年度「新人王戦準優勝」に続き「加古川清流戦優勝」を果たし、目下38勝6敗、勝率.864と歴代最高年度勝率を更新しそうな勢いの「藤本渚四段(18歳)」の2名に掛かって来るようになると思われます。藤本四段は「銀河戦」で更に3勝を挙げているものと思われ、これを含めると41勝6敗、勝率.872となります。もう少し取り上げると藤本渚四段の兄弟子でプロ入りは弟弟子に遅れを取ったものの昨年10月に20歳でプロ入り、その直後に「新人王戦」で藤本渚四段を決勝で破って優勝した「上野裕寿四段(20歳)」と藤井八冠、伊藤匠七段と同年齢で18歳でプロ入りし現在3年度目の「高田明浩四段(21歳)」の2名を挙げておきましょう。高田四段は足取りがやや重い感じですが着実に力を付けて来ていて大器晩成を感じさせます。

 

(1)第37期竜王戦1組ランキング戦1回戦

①●菅井竜也八段(先)vs〇伊藤匠七段

 ※今期の1組は本来16名であるべきところ5組ランキング戦で優勝した伊藤匠七段が決勝トーナメント1回戦から勝ち上がり挑戦権を獲得。七番勝負で敗れたものの4組、3組、2組を飛び越えていきなり1組に昇級という異例の事態が発生したことにより1名多く昇級者が出たためです。この異例事態により今期の降級者は3名となりました。トーナメントの組み合わせも「1回戦の予選?」を嵌め込むことになり、これに嵌め込まれた菅井竜也八段と斎藤慎太郎八段は貧乏くじを引いたようなもので敗れた斉藤慎太郎八段は出場者決定戦(5位決定戦)に回ることが出来ず降級が決まってしまいました。従って本局の勝者は2回戦に進んで木村一基九段と対戦、敗者は5位決定戦に回り、この1回戦に敗れた棋士が2組へ降級となります。

 ※竜王戦では藤井聡太竜王に0-4で敗れた伊藤匠七段ですが収穫は大きかったようで直後の棋王戦本戦準決勝で広瀬章人九段に敗れた後は本局に勝って11連勝。棋王戦では敗者復活戦を勝ち上がり挑戦者決定戦で広瀬九段に2連勝して挑戦権獲得。藤井聡太棋王との5番勝負はかなり食い下がれそうに思えます。伊藤匠七段はレートを1,901点として永瀬拓矢九段を抜いて2位に上がりました。なお、藤井聡太八冠とのレート差は219点あります。

 

(2)第9期叡王戦本戦(挑戦者決定トーナメント)1回戦

②〇本田奎六段vs●藤本渚四段(先)

 ※さて、注目の藤本渚四段が檜舞台に初登場。本田奎六段には昨年8月3日に順位戦C級2組3回戦で対戦して勝っていますがレートは本田奎六段が26点上回っていて難敵です。1回戦に勝つと2回戦は糸谷哲朗八段と対戦、レート差は37点に広がり、準決勝まで勝ち上がると現役のA級棋士が相手になりましょうから本トーナメントの何処かで7敗目が付きそうです。もし、勝ち上って挑戦権を獲得するようなら歴代年度最高勝率の更新は現実のものとなるでありましょう。

 ※挑戦者決定トーナメントは甘くはありませんでした。棋王戦で挑戦者になったことのある本田六段が意地を見せて藤本渚四段に7敗目をプレセント。藤本渚四段は優勢に指し進めたものの逆転されて今年度7敗目。38勝7敗、勝率を.844に落としました。朝日杯で2勝を挙げた藤井聡太八冠が36勝6敗、勝率.8571で首位に立ちました。本田奎六段には8月3日の順位戦で勝っていたので1回戦突破は可能かと思っていましたが本田奎六段が意地を見せた感じ。叡王戦本戦は対戦相手がトップ棋士ばかりなので何処かで敗けるであろうと予想していましたが勝ち星を稼ぐことなく1回戦敗退となりました。しかし、この先敗けそうなのは第65期王位戦未挑戦者決定リーグ戦くらいなもので8敗で年度を終わるかもしれませんし、王位戦リーグ戦の対局が来年度に繰り越される可能性もあります。そうなると7敗で年度を終わる可能性も出て来ます。

◆7敗で終われば42勝7敗以上、8敗になると48勝8敗以上で記録更新となります。しかし、残っているトーナメント(NHK杯本戦を含む)を勝ち上る毎に対戦相手が強くなって敗けるリスクが大きくなるところが難関で9敗で終わると53勝9敗以上が更新条件になり今後15勝を挙げる対局が有るか無いかが微妙というのが私のシュミレーションです。

◆記録更新の期待が高まるのは藤本渚四段には強力な「隠し玉」があることで、既に第32期銀河戦で3勝(2回戦~4回戦)している可能性が高く、勝ち上っていれば年度内に5回戦、6回戦が収録されて2勝上積みされる可能性があること、また、第74回NHK杯将棋トーナメントの予選があり2勝か3勝が期待出来、更に本戦1回戦も年度内に収録される可能性があるので年度末までに53勝に達する可能性があるという見通しによるものです。

 

(3)第72期王座戦一次予選ロ組3回戦

③〇西尾明七段vs●石田直裕五段(先)

 ※勝った西尾七段は準決勝進出で佐藤秀司八段と対戦します。

 

・ロ組2回戦

④〇村田智弘七段vs●西川和宏六段

 ※勝った村田智七段は3回戦で池永天志五段と対戦します。

 

(4)第74期王将戦一次予選5組1回戦

⑤〇泉正樹八段(先)vs●小山怜央四段

 ※C級2組昇級を目指す小山怜央四段ですが思わぬ処で足を掬われました。勝った泉八段は2回戦で梶浦宏孝七段と対戦します。

 

◆将棋連盟 棋士別成績一覧(レーティング)