1月11日の将棋対局結果(2024.1.12) | 東京の四季(庭園&公園)のブログ

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◆1月11日の将棋対局結果

 

(1)第37期竜王戦1組ランキング戦2回戦

①〇佐藤康光九段vs●広瀬章人八段(先)

 ※1回戦で難敵の豊島将之九段、永瀬拓矢王座を破って勝ち上っての2回戦で気持ちも軽く表街道を歩いて勝てばベスト4。1組は一寸変わったシステムで準決勝敗退者で3位決定戦を行いますが、敗れると4位とはならず敗退となります。4位は2回戦敗退者4名でトーナメントを行い勝ち抜き者が4位となり、1回戦敗退者8名で5位決定戦を行うという仕組みになっています。両者の対戦成績は佐藤康光九段が9勝7敗と勝ち越していますが18歳の年齢差があるので若い広瀬九段が借金返済間近に迫っているという流れ。

 ※佐藤康光九段は今年度不戦敗1つを挟み8連敗というスタートを切りましたが連盟会長を降りてから8月17日に連敗を止めてから8勝9敗と大分調子を戻して来ました。勝った佐藤康光九段はベスト4、準決勝進出。敗れた広瀬九段は出場者決定戦の4位決定戦に回ります。

 

(2)第82期順位戦A級7回戦

②〇渡辺明九段(1位・4勝3敗)vs●菅井竜也八段(5勝2敗)

 ※菅井達也八段は今年度好調で第8期叡王戦で挑戦者になった(1-3で敗退)のに続き第73期王将戦でも挑戦者になって現在七番勝負を展開中。豊島将之九段が6勝0敗で首位を独走していますが下半期に入って酷く調子を落としている様子で管井八段は最終9回戦で豊島九段との直接対決を残しているので1敗を保てばプレーオフあるいは逆転の可能性を残しています。

 ※菅井竜也八段、名人挑戦のチャンスかと思われましたが渡辺明前名人の壁厚く無念の2敗目。トップを走る豊島将之九段と敗けの差が2つに開いて自力でプレーオフに持ち込むことは出来なくなりました。しかし、豊島九段が下半期に入って極端に調子を落としている様子なので他力本願ながらチャンスは残っています。

 

③●斎藤慎太郎八段(5位・2勝5敗)vs〇中村太地八段(10位・3勝4敗)

 ※A級在籍4期で名人挑戦2回という実績を持つ斎藤慎太郎八段ですが今期は不調で降級争いの仲間に入っています。2勝4敗同士の対戦で敗れると降級の危険が高まります。

 ※手に汗握る熱戦でしたが中村太地八段が粘りを見せて勝利。A級残留に向けて貴重な1勝。敗れた斎藤慎太郎八段はA級5期目にして初の降級のピンチ。

 

④〇稲葉陽八段(7位・3勝4敗)vs●永瀬拓矢九段(4位・4勝3敗)

 ※永瀬拓矢九段は残留を決めて僅かながらプレーオフ進出の可能性を残している位置に居ます。稲葉陽八段は敗れると苦しくなります。

 ※稲葉八段は難敵を倒して貴重な1勝。永瀬九段は王座を失ってから6勝8敗で立ち直るには少し時間が掛かりそうです。

◆挑戦権争いは2番手の菅井八段が敗れて5勝2敗となり6戦全勝で首位を走る豊島将之九段は大いに有利になりました。しかし、下半期に入って7勝10敗と信じ難い不成績な上、かなり下位の棋士にも敗けていることからかなり深刻な調子落ちかと思われます。残り3局で2勝すれば挑戦権獲得、1勝で終わるとプレーオフの可能性があるという状況に至りました。広瀬九段と斎藤慎太郎八段共に不調ですが自らの降級が懸かっているので必死で立ち向かうことになりましょうからどのような結果になるか予測出来ず、最終戦が菅井八段戦という点も面白い組み合わせになっています。仮に豊島九段が3連敗するようなことがあると菅井八段が挑戦権を獲得する可能性が大になり、6勝3敗でのプレーオフになる可能性も出て来ます。脱落したかに見えた渡辺明九段と永瀬九段にもプレーオフの楽しみが出、順位1位の渡辺明九段は大いに有利な立場になります。

 

(3)第82期順位戦C級2組8回戦前半

 ※8回戦は前半戦が12局、後半戦が15局という配分になりましたが昇級争いをしている棋士は後半戦に多く回ったので後半戦の関心が深まります。前半戦の見所は6勝1敗でトップ集団を形成している5名の内、高田明浩四段と藤本渚四段が登場することですが共に対戦相手が不調なので1敗を保ちそう。また、5勝2敗で3番手集団を形成する10名の内、徳田拳士四段、狩山幹生四段、井出隼平五段の3名が登場します。3名共対戦相手が4勝3敗で厳しい生き残り戦となりそうです。なお、6勝2敗で2番手グループに居るのは八代弥七段と村中秀史七段の2名。5勝2敗の棋士は勝てば2番手グループに上がることになります。

 ※5勝2敗で9番手に付けていた徳田拳士四段、13番手の狩山幹生四段、16番手の井出五段が敗れて5勝3敗となって脱落。6勝1敗の高田明浩四段が勝って7勝一番乗りで暫定首位に立ちました。高田四段は21歳。藤井聡太八冠、伊藤匠七段と同学年で藤井聡太世代を形成する人材になるかどうか注目されます。しかし、18歳で目下藤井聡太八冠を上回る勝率を稼いでいる藤本渚四段には4戦全敗と勝てていないのが悔しいところ。今の様子では藤本四段が№3の座に就いてしまいそうな勢いです。その藤本四段は青野照市九段を破って7勝1敗で暫定2位。同じ日に放送された銀河戦1回戦にも勝っていて今年度38勝6敗、勝率.864と上昇。更に銀河戦は1日に2局収録されるので2回戦も勝っているハズ。更に3回戦、4回戦も収録済か近々の収録、更に5回戦、6回戦も年度内に収録される可能性があり歴代年度最高勝率更新の可能性が高まって来ています。もし、記録更新が達成された場合は隠されている銀河戦とNHK杯の結果が突拍子もなく公開されることになるので頭の片隅に留めておいて頂きたいと思います。

⑤●平藤眞吾七段(2位・1勝7敗)vs〇渡辺大夢六段(28位・4勝4敗)

⑥●徳田拳士四段(4位・5勝3敗)vs〇西川和宏六段(27位・5勝3敗★)

⑦●本田奎六段(6位・4勝4敗)vs〇遠山雄亮六段(8位・4勝4敗)

⑧〇今泉健司五段(14位・3勝5敗)vs●小林裕士七段(43位・3勝5敗)

⑨〇高野智史六段(34位・5勝3敗)vs●狩山幹生四段(16位・5勝3敗)

➉●豊川孝弘七段(46位・1勝7敗★)vs〇高田明浩四段(18位・7勝1敗)

⑪上村亘五段(21位・1勝8敗★)vs竹内雄悟五段(48位・2勝5敗★★)⇒延期になりました。

⑫〇黒沢怜生六段(25位・4勝4敗)vs●安用寺孝功七段(45位・0勝8敗★)

⑬〇谷合廣紀四段(32位・5勝3敗★)vs●井出隼平五段(31位・5勝3敗★)

⑭●藤森哲也五段(30位・4勝4敗)vs〇阿部光瑠七段(33位・3勝5敗★)

⑮●近藤正和七段(40位・2勝6敗★)vs〇森本才跳四段(55位・4勝4敗)

⑯●青野照市九段(51位・0勝8敗★★)vs〇藤本渚四段(52位・7勝1敗)

 

(4)第50期棋王戦予選7組1回戦

⑱●有森浩三八段vs〇柵木幹太四段(先)

 ※勝った柵木四段は2回戦で長岡裕也六段と対戦します。

 

(5)第74期王将戦一次予選7組2回戦

⑲●福崎文吾九段vs〇石川優太五段(先)

 ※勝った石川五段は3回戦進出。有森浩三八段vs出口若武六段戦の勝者と対戦します。

 

(6)第32期銀河戦Dブロック1回戦

⑰〇藤本渚四段vs●西山朋佳女流四冠

 ※勝った藤本四段は2回戦で西川和宏六段と対戦します。

 

◆将棋連盟 棋士別成績一覧(レーティング)