レートで楽しむ将棋・今年飛躍した将棋棋士(2023.12.31) | 東京の四季(庭園&公園)のブログ

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◆レートで楽しむ将棋

・今年飛躍した将棋棋士

 

◆レーティング・ランキングを見ていると棋士の浮沈が一目瞭然で「観る将」の方には日本将棋連盟で掲載しているランキング表を日々エクセルにコピーして保存することをお勧めします。日々の対局結果で数値が細かく(基本的には8点前後、ほぼ3点~13点の間)動いて行きますが対局の多いトップ棋士でも週に1局、月に4局くらいですから変化の度合いはあまり目立ちません。スパンを伸ばして半年とか1年で比較してみると好不調や躍進の度合いがハッキリ見えて来ます。

【2021年度】

◆2021年度は服部慎一郎四段が前年比⁺133点が大いに目立っています。2022年度は⁺100点でランキング6位に上昇しましたが、2023年度は流石に壁に当たったように見えますが目下22勝12敗で勝率.647で好調を維持していますがレートが上がり過ぎて勝率7割台を維持しないと持ち点が減少して行くレベルに達したようです。

◆レートの面白い処は、A級棋士のようなトップクラスの棋士は同じレベルの棋士との対戦が多いので勝率5割でも現状維持が可能ですが、極端に飛躍して1,800点くらいになった棋士はまだかなり下位の棋士との対戦が多くあり、取りこぼすと減点が大きくなるので勝率7割くらいで現状維持となる例が多いようです。

◆⁺80点前後になると10年棋士くらいでは大体勝率7割超えで好調。新人棋士ではかなりの躍進と言えましょう。⁺83点の梶浦宏孝七段の場合は勝率6割台でコンスタントに上昇、+81点の八代弥七段は少し波が有って2019年度の勝率.526から2020年度、2021年度連続して勝率7割と好調で巻き返して更に上位に躍進。

◆藤井聡太竜王の+66点も凄い数値で棋聖と王位を防衛、叡王と竜王奪取して四冠になったという実績が伺い知れる数値でしょう。

◆豊島将之九段の―71点は異例の減点で王位戦挑戦で1勝4敗、叡王戦防衛で2勝3敗、竜王戦防衛で0勝4敗、藤井竜王に3勝11敗と大きく負け越して無冠に転落したことによるもので一種災難的な状況でありました。-54点の羽生善治九段と-41点の広瀬章人八段も絶不調と見えます。

【2022年度】

◆服部慎一郎四段は五段に昇段して⁺100点と更に躍進、大橋貴洸六段の⁺121点は前年の12月から絶好調であったことによるもので順位戦でB級1組に昇級し七段に昇段しています。藤井聡太竜王と同期のプロ入りですからプロ入り初年度以来の大爆発。同じく⁺121点の斎藤明日斗五段はプロ入り5年度目で40勝9敗、勝率.816大爆発。

◆広瀬章人八段は竜王戦で挑戦して藤井竜王を苦しめるなど絶不調から立ち直って+82点。⁺71点でランクインした伊藤匠五段の躍進も目立ちます。

◆渡辺明名人の‐76点は前年の豊島九段を上回る大減点で王将を失った他、5割6分くらいの勝率ながらレートの上がり過ぎで‐10点以上の敗局が多かったことによるもの。

【2023年度】

◆伊藤匠七段の⁺125点と藤本渚四段の⁺205点が出色で、伊藤匠七段は竜王戦に続き棋王戦でも挑戦権を獲得し実力№2の座に定着しそうな雰囲気です。また、藤本渚四段はデビュー初年度の同時期(12月末)では藤井聡太竜王の⁺236点に次ぐもので予想以上の大器かもしれません。来年度には伊藤匠七段にかなり接近しそうに思えます。

◆2022年度⁺143点の徳田拳士四段に注目しましたが2023年度は完全に壁に当たったようで‐70点。

◆C級2組でくすぶっている強豪の佐々木大地七段は棋聖戦、王位戦と連続して挑戦者になるなど好調で+76点、八代弥七段も勝率8割とプロ入り以来最高の成績で+64点と盛り返して上位に。本田奎六段は現状維持、梶浦宏孝七段は不調に陥って-57点でランク45位まで下降。

◆王将戦の挑戦権を獲得した菅井竜也八段は前年度の+57点から今年度も+45点と安定した実力を発揮。

◆大橋貴洸七段はA級を目前にして苦戦。昨年の貯金を2/3減らす-86点。

◆+113点の高田明浩はプロ入り3年度目で藤井竜王、伊藤匠七段と同年で期待しているところですが、8月には1,715点まで上げたもののその後失速。

◆以上、レートで楽しむ将棋の一端でした。