◆羽生九段敗れる・王位戦速報
(1)第36期竜王戦4組ランキング戦準決勝
①大石直嗣七段vs高野智史六段 ⇒ 対局中
※勝者は決勝進出で3組昇級が決まります。大石七段(33歳)の最高位は2組なので復帰に向けたチャンス、高野智六段(29歳)は初の3組昇級のチャンス。初手合わせは意外なところ。
※大石七段が劣勢を跳ね返して優勢で終盤に突入。高野智六段は間もなく1分将棋になりそうです。
(2)第64期王位戦挑戦者決定リーグ戦
・紅組2回戦
②●羽生善治九段(先)vs〇永瀬拓矢王座
※永瀬王座はデビュー4年度目の2013年度に羽生善治九段(当時名人・四冠)に2連勝して一躍注目を浴びましたが以来羽生九段をお客さんにして対戦成績は13勝6敗。しかし、絶不調から回復した羽生九段が直近では2勝1敗と巻き返し中。羽生九段がタイトル獲得通算100期を大金字塔を建立するカギは藤井聡太竜王に加え、天敵化している永瀬王座、豊島将之九段と互角以上に戦える力を取り戻すことが必要でしょう。
※永瀬王座は既に2敗していて挑戦権争いから脱落のみならずリーグからの陥落も確定してしまっています。羽生九段は勝てばプレーオフ以上で挑戦権獲得に近付きます。
※羽生九段が優勢に進め入玉に成功したかに見えましたが永瀬王座の苦心の寄せに受け手を誤って逆転負けを喫しました。これで3勝1敗で豊島将之九段と相星となったため最終戦の羽生vs豊島戦の勝者が紅組優勝となります。永瀬王座は勝っても状況変化はありません。
・白組3回戦
③〇渡辺明名人(先)vs●増田康弘七段
※珍しい顔合わせと感じましたが3年前の2020年に2戦していて渡辺名人が2連勝しています。渡辺名人は今年度に入って名人戦で藤井聡太竜王に2敗している他、佐々木大地七段に2敗、広瀬章人八段に1敗、勝利は棋聖戦本戦2回戦での羽生善治九段戦の1勝のみ。非常に厳しい調子の谷間で名人戦を戦っているように見えます。渡辺名人勝って挑戦権争いに踏みとどまるか?敗れるとリーグ陥落の可能性が生じます。増田康七段は2敗を喫していてリーグ残留の可能性は極めて少なくなっています。
※渡辺名人が雁木に組み拮抗した序盤から中盤に入って巧みに手を作りジワジワと優勢を拡大して横綱相撲を取り切りました。苦境に立たされた名人戦も「雁木」に活路を見出すか?渡辺名人は最終戦の冨田誠也四段に勝ち、佐々木大地七段が池永天志五段に破れればプレーオフとなります。
(3)第49期棋王戦予選
・5組準決勝
④森下卓九段vs石田直裕五段
※勝者は決勝進出で森内俊之九段vs千葉幸生七段戦の勝者と対戦します。
・6組準決勝
⑤〇北浜健介八段vs●服部慎一郎六段(先)
※北浜八段、角換わり向かい飛車を用いて変幻自在な指し回しで服部六段を翻弄。レート差270点をものともせず服部六段の鼻をへし折ったような勝利。勝った北浜八段は決勝進出で村田智弘七段と対戦します。
(4)第73期王将戦一次予選5組準決勝
⑥●佐藤秀司八段(先)vs〇斉藤明日斗五段
※この一戦もレート差269点と大差の対局でしたが佐藤秀八段の年季の入った指し回しに苦戦しつつも勝負所で抜け出して確実に勝利を獲得。決勝進出で宮田敦史七段vs三枚堂達也七段戦の勝者と対戦します。
(5)第31期銀河戦Cブロック5回戦
⑦本田奎五段vs黒田堯之五段
※勝者は6回戦で森内俊之九段と対戦します。
◆将棋連盟 棋士別成績一覧(レーティング)