◆1月28日の将棋対局結果
(1)第72期王将戦七番勝負第3局1日目
①〇藤井聡太王将(五冠・先2勝1敗)vs●羽生善治九段(1勝2敗)
※ギリギリのタイミングであったと感じるドリーム・マッチ。最高のシナリオは〇●〇●〇●とお互いに先手番をキープしてフルセットに持ち込まれ、決着の第7局は振り駒で羽生善治九段が先手番を引いて勝利。4勝3敗で藤井聡太王将からタイトルを奪取。タイトル獲得通算100期の大金字塔を打ち建てることでありましょうか。実際のところ第2局で羽生九段は見事な指し回しを見せて完勝。羽生九段が残る先手番2局に連勝する確率は目に見えるほどに増えたように感じます。
※タイトル戦の対局場となる旅館・ホテルなどは如何ほどの恩恵に与るのか?貧乏人としては大いに気になる部分で、対局者は個室、立会人、副立会人は多分同室で、他に大盤解説の棋士、司会・聞き役の女流棋士に対局場の記録係、将棋盤や駒その他備品を運搬・設置する職員で8名ほど。これに役割が無いのに覗きに来る棋士が二、三名いますが、これは輪番制でタダ泊まりであろうと推測します。
※タイトル戦の対局場は行政を旗頭にして誘致するようですから棋士を始め将棋連盟の人たちと毎日新聞の関係者はタダで泊まるのであろうと推測するところですが、今のご時世、「パワハラ」や「タカリ」を疑われると厄介なことになりますから財布を持っている主催者(主に新聞社)が将棋連盟との契約の中で付帯費用としているのでありましょう。こうして見積もって来ると、主催者の将棋連盟と毎日新聞の関係者で少なくとも四部屋、十名くらいの人数に上等な部屋が用意されるのではないかと推測します。あとタダで泊まれる関係者が如何ほどいるか?ですが、大盤解説その他で男性6名、女性2名として少し上等な部屋が3部屋ほど。ただし旅館・ホテルは大変な名誉を与えられて大いなる宣伝になるでありましょう。従って主催者は「並みの部屋代くらい」に値切ることが予想され旅館・ホテルとしては儲けは少ないかもしれません。それでも大盤解説を見るために泊まりに来たり、対局者と同じ日に泊まってみたいという人も多いでしょうから客室の稼働率は大いに上がって特別な利益を挙げられることは間違いのないところでしょうか。
※気になるのは指宿温泉(竜王戦)に常連のような顔をして現れた佐々木勇気七段のような人は自腹で来ているのかどうか?ということになりますが、私としては主催者の読売新聞社から「砂湯関連の取材」の名目か何かで小遣い(ギャラか?)を貰って来たのではないかと疑っています。
※更に、昨今は藤井聡太人気でタイトル戦雄の対局場の争奪戦が起きているようで、コロナに続く円安、物価高騰の折から産業振興・助成をする必要からでしょう行政が補助金を出すなどして旗振りに乗り出しているように見受けられます。勝負飯やおやつの予想クイズなどが定番化した感があり、特産物が一躍全国区の人気銘柄になる期待もあってか開催地各地は大いに盛り上がっているように見えるのは大いに結構なことだと思います。
※詳細は「1月29日の将棋対局結果」で記すこととして結果は先手番の藤井聡太王将が鉄壁の指し回しで先手番をキープ。シリーズ成績を2勝1敗として一歩先行。2月9・10日に東京都立川市「SORANO HOTEL」で行われる第4局で羽生善治九段が先手番をキープ出来るかどうか大きな見所となりましょう。
(2)第49期棋王戦予選5組2回戦
②高崎一生七段(先)vs横山大樹アマ ⇒ 千日手になりました。
・●横山大樹アマ(先)vs〇高崎一生七段
※勝った高崎七段は3回戦で千葉幸生七段と対戦します。
◆1月29日の将棋対局結果
(1)第72期王将戦七番勝負第3局2日目
①〇藤井聡太王将(先・2勝1敗)vs●羽生善治九段(1勝2敗)
※一触即発の局面で50手目を羽生善治九段が封じて1日目が終了。お互いに傷や弱点を抱える中で如何なる展開となりますか?
※羽生九段の封じ手は▽4二玉。これによって藤井王将に▲6三角と打つ手が生じ藤井王将が指し易い局面になったようです。羽生九段は金や玉を上段に繰り出して藤井王将の飛車先から逆襲する構えを見せます。8筋、7筋の歩を突き捨てて藤井王将の弱点である「7七桂」の頭を狙う▽7六歩を決めてから70手目▽2六銀と飛車取りに出て勝負に出ましたが藤井王将の飛車が羽生玉を直射することになってAIは「藤井優勢」と判定。その後、羽生九段は守りの薄い藤井玉に馬、金、と金で迫りますが藤井王将は自玉の安全を読み切っていたのでしょう、羽生九段の迫撃は一歩及ばず95手で羽生九段が投了。藤井王将が鉄壁の指し回しで先手番をキープし2勝1敗と再びリードしました。
(2)第72回NHK杯将棋トーナメント3回戦
②●佐藤康光九段vs〇永瀬拓矢王座
※3回戦の最終局でベスト8が出揃います。佐藤康光九段は2017年2月に「将棋ソフト不正使用疑惑事件」で引責辞任した谷川浩司九段の後を受け継いで会長に就任。連盟会長を務めながらの現役生活で5割前後の成績を続けて奮闘して来ましたが今年度は3割台の勝率に落ちて順位戦A級からの陥落が決定するなど苦戦中。対する永瀬王座は勝率.659で可もなく不可もなしでタイトルホルダーとして力は発揮出来ている感じ。
※対戦成績は5勝5敗の五分でしたが現在の調子の差が出た感じで永瀬王座が勝利。4回戦(準々決勝)で佐々木勇気七段と対戦します。
◆将棋連盟 棋士別成績一覧(レーティング)