藤井聡太三冠A級昇級争い3番手変わらず(2021.10.1) | 東京の四季(庭園&公園)のブログ

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◆藤井聡太三冠A級昇級争い3番手変わらず

◆9月30日に行われた第80期順位戦B級1組6回戦は佐々木勇気七段が木村一基九段を破って全勝をキープ(6勝0敗)、1敗の千田翔太七段と藤井聡太三冠もそれぞれ勝って1敗をキープ(5勝1敗)しました。2敗は三浦弘行九段のみ(3勝2敗)で昇級争いは早くも全勝、1敗の3名と2敗の三浦九段の4名に絞られたと観て良いでしょう。しかし、実力者揃いの「鬼の棲家」で昨年は本命と見られた永瀬拓矢王座が中盤に変調を来し、トップを独走していた山崎隆之八段が終盤に失速してして混戦となり9勝3敗の両者が際どく逃げ切って昇級を果した例があるので予断は許さないものがあります。

◆そうは言っても今期は藤井聡太三冠の実力が抜きん出ていることと若手の佐々木勇気七段、千田翔太七段の勢いが際立っているように感じられるので若手3者の争いが本命。面白いと感じるのは3者の直接対決は千田七段vs佐々木勇気七段戦が10回戦、千田七段vs藤井三冠戦が11回戦、藤井三冠vs佐々木勇気七段戦が最終13回戦と終盤に予定されていて直接対決前に1敗でも喫すると脱落に近い状態になってしまうというということで9回戦まで3者が全勝、1敗を保つかどうかが1つの見所。

◆昇級レースを面白くしてる最大の理由は藤井三冠より順位が下の佐々木勇気七段が全勝でトップを走っていることと、藤井三冠より順位が上の千田七段が藤井三冠と1敗で並んでいることで、佐々木勇気七段にも藤井三冠にもプレシャーを掛けている形。

◆佐々木勇気七段はラス前の12回戦まで敗け無しで行けば千田七段に勝って千田七段が2敗になるため最終戦の藤井三冠に敗けても11勝1敗で昇級が決まります。簡潔に考えれば三者の直接対決で2勝すれば昇級の可能性は大、2敗すればほぼ脱落、三者三すくみになるようだと藤井三冠は昇級を逃がす可能性が大になると言えましょう。

◆直接対決で勝敗を左右する要素として先手後手がありますが、

①千田vs佐々木勇気戦は佐々木が先手番。対戦成績は千田5勝、佐々木勇気4勝で千田七段は後手番で3勝しているのでほぼ互角の予想。

➁千田vs藤井戦は藤井が先手番。過去千田1勝は先手番、藤井4勝は先手番3勝、後手番1勝。この対戦は藤井三冠がかなり優勢。

③藤井vs佐々木勇気戦は佐々木勇気が先手番。過去1勝1敗で藤井1勝は後手番、佐々木勇気1勝は先手番。佐々木勇気が勝ったのは藤井がデビューして30戦目で、その後の実力アップは驚異的ですが藤井が勝った昨年の順位戦は手に汗握る大熱戦で3戦目は互角と観るべきかもしれません。こうして観ると僅かながら藤井三冠に一日の長があるようにも感じます。また、他の棋士に敗れる可能性を探れば藤井三冠の安定感が圧倒的でしょう。

◆藤井三冠は9回戦の近藤誠也七段が手強いですが1敗を守って10回戦で目の上のたん瘤である千田七段に勝てば千田七段は2敗となって順位が入れ替わり、最終戦の佐々木勇気七段戦に勝てば昇級。敗れて10勝2敗で終わると三浦九段と千田七段が3敗となった場合のみ昇級と

◆千田七段は順位が三者の中で上位のため藤井三冠に勝つと2敗でも昇級の可能性が高くなります(三浦弘行九段が3敗した場合)。

◆佐々木勇気七段は藤井三冠より順位が下なので藤井三冠より1つ余計に勝つことが大きな昇級条件となり、藤井三冠、千田七段が敗けを増やすほどに有利になります。要するに三者は11勝1敗で昇級となるので佐々木勇気七段はマジックナンバー5、千田七段と藤井三冠はマジックナンバー6となります。なお、面白いのは現在3勝2敗で4位に付けている三浦九段は千田七段戦(9回戦)と佐々木勇気七段戦(8回戦)を残していることで三浦九段が藤井三冠昇級のアシスト役を果たす可能性もあることです。順位戦の面白みは1回戦毎に状況が変わって行くことですがこの先如何なるドラマが展開されるか全勝、1敗の三者が勝ち進んで三つ巴で終わるか?波乱が起きるか?ワクワクします。

◆藤井聡太三冠は本日10月4日行われた第71期王将戦緒戦者決定リーグ戦6回戦で広瀬章人八段と対戦し、先手番の藤井三冠が先攻して優位に立ち、攻め合いに活路を見出そうとした広瀬八段の反撃を封殺して67手で圧勝。昨年は出だしで3連敗してリーグ陥落を喫しましたが、今期は2連勝と順調な滑り出しとなりました。なお、藤井三冠の今期の成績は31勝6敗、勝率.838となりました。9月13日に第6期叡王戦第5局で豊島将之叡王に勝って2,068点と自己最高のレートを更新しましたが、9月17日の第47期棋王戦挑戦者決定トーナメント3回戦で斎藤慎太郎八段に敗れて12点減。その後、〇木村一基九段(+3)、〇千田翔太七段(+3)、〇糸谷哲郎八段(+3)、〇横山泰明七段(+2)、広瀬章人八段(+3)と5連勝を積み上げて2,056点⇒2,070点と自己最高点を記録しました。大体1つ敗けると元に戻すのに4連勝か5連勝が必要で5勝1敗のペースで行けばレートは少しずつ上がって行くことになりそうですが2,100点近くになると5勝1敗では現状維持になるかもしれず、2,100点が上限値なのかもしれません。