事件が起きた12月25日の将棋対局結果(2020.12.26) | 東京の四季(庭園&公園)のブログ

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◆事件が起きた羽生vs豊島戦

◆12月25日の将棋対局結果

(1)第34期竜王戦4組ランキング戦2回戦

  ①●金井恒太六段vs〇梶浦宏孝六段(先)

  ※勝った梶浦六段は3回戦で北浜健介八段vs真田圭一八段戦の勝者と対戦します。

(※梶浦六段は前期決勝トーナメント1回戦(5組優勝)から出場して高野智史五段(6組優勝)、2回戦で石井健太郎六段(4組優勝)、3回戦で木村一基王位(当時)(1組5位)、4回戦で佐藤康光九段(1組4位)と連破して準決勝進出。羽生善治九段に敗れたものの見事な活躍ぶりでした。今期3組に昇級すると連続昇級により七段に昇段します。金井六段は第3期叡王戦七番勝負進出の経験(高見泰地七段に0-4で敗退)があります。)

 

(2)第34期竜王戦6組ランキング戦

 

  ・2回戦

  ➁●長岡裕也五段vs〇西山朋佳女流三冠(先)

  ※勝った西山女流三冠は3回戦で室岡克彦七段と対戦します。

 

  ・3回戦

  ③●大平武洋六段vs〇渡辺和史四段(先)

  ※勝った渡辺和四段は4回戦で佐藤秀司八段vs山本博志四段戦の勝者と対戦します

 

(3)第79期順位戦A級6回戦~事件が起きた土壇場

  ④●羽生善治九段(5位2-4)vs〇豊島将之竜王・叡王(1位4-2)

  ※2年ぶりにタイトル戦(第33期竜王戦)に登場した羽生九段ですが豊島将之竜王(叡王)に1-4で敗退してタイトル獲得通算100期の大記録達成はお預けとなりました。羽生九段は2016年度以降勝率5割台が続いてかつての絶対的な強さは期待出来ないかも知れませんが60歳まではA級在籍を保って欲しいものだと私は願っています。

◆しかし、今期は2勝3敗と黒星が先行して迎えた6回戦。対戦相手は超難敵の豊島将之竜王・叡王で不安を抱きつつ見ていると徐々に豊島竜王のペースになって苦戦の様相。77手目になると豊島勝勢となって諦めモードになりましたが、将棋は恐ろしいもので寄せに入っていた豊島竜王が確実に勝とうと思ったのでしょう78手目で1手緩めたために羽生九段に反撃の手が回り、更に81手目▲6ニ角と放てば豊島竜王が▽同金と取ったため一瞬にして互角に巻き戻り攻守所を換えて羽生九段が寄せに回る展開に。98手目で豊島竜王が持ち時間を使い果たし1分将棋に突入。羽生九段は18分残し。121手目で羽生九段も1分将棋になりましたがAIの判定は羽生勝勢。しかし127手目▲7七金と自玉の即詰みを回避した手が大悪手とのことで形勢は一遍に豊島勝勢に。しかし、しかし、悪手は悪手を呼ぶ、で豊島竜王128手目6五歩と金を取った手がまた大悪手で再び羽生勝勢に。ところが、ところが、羽生九段は次の王手を掛けずに投了。将棋ライターの松本博文さんは「強すぎるがゆえ・・・勝ちの局面で投了」と表現。

◆素人の私の見たところ、投了の局面はどちらが良いのか不明ですがAIは羽生九段+2054、1手前は-2317、2手前は+3154、即詰みか詰めろの連続の応酬なので1手間違えれば逆転という展開でもはや指運の世界に入っていたのでしょう。私が推測するところ羽生九段は127手目の▲7七金が大悪手で敗けにしてしまったと考えており、128手目の豊島竜王の▽6五歩がまた大悪手であったことを確かめる気力が失せていたのではなかろうか?よくある最終盤の二転三転の末の大逆転劇ですがAIが即時に形勢判断を弾き出している中での出来事なので「事件」と感じた訳ですが将棋の怖さ、面白さを改めて実感した一戦でした。

◆これで羽生九段は2勝4敗となって残り3局。少なくとも2勝1敗で乗り切る必要があります。前期、木村一基九段が4勝5敗で降級となりましたが羽生九段は順位が5位なので4勝5敗なら落ちる可能性は極めて少ないと言えるでしょう。とは言え、残り3局は同じ4敗で並んで降級候補となっている稲葉陽八段、三浦弘行九段との直接対局があるのでこの2人には何としても勝たねばならないでしょう。対戦相手の比較から見ると稲葉八段、三浦九段の対戦相手の方が手強そうなので羽生九段はギリギリ・セーフと観ていますが・・・。

 (※22日に行われた6回戦・菅井竜也八段vs糸谷哲郎八段戦で菅井八段が勝って3勝3敗となったため羽生九段は下から3番手、上から8番手に後退。今期も星の潰し合いが激しい感じで前期の木村一基九段同様4勝5敗で降級となる棋士が出るかもしれません。羽生九段、強敵相手ですが勝っておきたいところ。豊島竜王とて2敗を保てば挑戦権獲得の有力候補になるので敗けられないところ。)

 

(4)第69期王座戦一次予選イ組準決勝

  ⑤〇門倉啓太五段(先)vs●渡辺大夢五段

  ※勝った門倉五段は決勝進出で八代弥七段vs高野智史五段戦の勝者と対戦します。

 

    

 

(5)第6期叡王戦段位別予選四段戦

  ・2回戦

  ⑥〇池永天志四段(先)vs●古賀悠聖四段

  ※勝った池永四段は同日3回戦で出口若武四段と対戦して敗退。

 

  ・3回戦

  ⑦〇出口若武四段(先)vs●池永天志四段(⑥の勝者)

  ※勝った出口四段は準決勝進出。石川優太四段と対戦します。

 

 

 

(6)第71期王将戦一次予選

  ・2組2回戦

  ⑧●小林宏七段vs〇千葉幸生七段(先)

  ※勝った千葉七段は3回戦で窪田義行七段vs宮田敦史七段戦の勝者と対戦します。

 

  ・5組1回戦

  ⑨●小倉久史七段vs〇金沢孝史五段(先)

  ※勝った金沢五段は2回戦で八代弥七段と対戦します。

 

  ・6組2回戦

 

  ⑩●田中悠一五段vs〇石田直裕五段(先)

  ※勝った石田五段は3回戦で中村修九段vs村中秀史七段戦の勝者と対戦します。

 

  ・7組1回戦

  ⑪●神崎健二八段vs〇藤原直哉七段(先)

  ※勝った藤原七段は2回戦で出口若武四段と対戦します。

 

  ・7組2回戦

  ⑫畠山鎮八段vs大石直嗣七段

  ※勝者は3回戦で小林健二九段vs今泉健司五段戦の勝者と対戦します。→延期となりました。

 

 

 

  ・8組2回戦

  ⑬●豊川孝弘七段vs〇牧野光則五段(先)

  ※勝った牧野五段は3回戦で黒田堯之四段と対戦します。

 

 

  ・9組2回戦

  ⑭●福崎文吾九段vs〇中村亮介六段(先)

  ※勝った中村亮六段は3回戦で村山慈明七段vs星野良生五段戦の勝者と対戦します。