第一話
高齢者の行動、心理の一般的な理解
1)高齢者の記憶と生活・行動
記憶障害について・・・
①認知症などの影響による逆行健忘
(記憶保持や再生にかかわる記憶障害であり獲得した知識や技能においては
新しい記憶を忘れやすい過去に記憶されたものを思い出す順序が
決まっていなくて部分的に混同してしまう)
②脳の器質変化が原因とされている前向き健忘
(記銘の過程の障害と考えられ新しい体験を覚えていられない
過去体験と結びつけられない)
③情緒の影響としての抑圧
(欲求が満たされないことが続くと、欲求それ自体を思い出せなくすることによって
自分を防衛しようとすること)
④神経症からくるヒステリー性健忘
(一種の抑圧による健忘であるが、記憶していることさえも抑圧し
自分の都合のよいように運ぼうとする無意識のはたらき)
2)高齢者の知能と生活・行動
知的な生活と知能(結晶性知能と流動性知能)
高齢者の知的な生活では多くの場合
①考えることが億劫になる
②覚えたことでもすぐ忘れやすくなる
③加齢とともに多くの情報や事柄を速く処理する力が低下していくなどと考えられている
しがしながら
近年では
知的な生活の衰えには個人差が大きくみられ
さらに同じ個人の中でも能力の種類による違いがみられることが明らかにされている
*結晶性知能とは・・・
多くは言語的な側面の知能であり
これまでの経験や知識の豊かさや
正確さと結びついている能力
結晶性知能は
学校教育や社会経験と
深く結びついて育ってきたもの
*流動性知能とは・・・
新しいことを学習したり
新しい環境に適応するために必要な能力であるが
この能力はこれまでの学校教育や社会経験とは
比較的独立しており
生まれつきの能力と強く関係している
3)高齢者の視力と生活の変化
視力の低下に示される視覚生活の変化としては・・・
①小さな文字が見えにくくなり
手元でも細かい作業がしにくくなる
②遠近感を把握しにくくなる
③視野が狭くなる
④色合い(特に青や紺などの寒色系)の判断能力の低下
⑤まぶしさを強く感じる
⑥明暗への順応が遅くなる
⑦20歳代平均の視力に比べると4割程度の視力になる
4)高齢者の感情、人格
愛情深い人が突然にいらつき
攻撃的な行為に変化していく場合
脳障害を疑ってみるコトも大切
脳腫瘍ができていたり
脳血管障害の前兆であったり
認知の障害に入り不安やおびえからの
防衛的行動であったりする
高齢者の自尊心は・・・
①自尊心は、成人期と高齢期において一貫しており
年齢差は認められない
自尊心に及ぼす加齢の影響を簡単に結論づけるコトはできない
②年齢以外の要因
たとえば
時代に伴う社会的および個人的な生活の変化などが
自尊心に影響を及ぼしている可能性がある
③自尊心の決定因は
高齢期においては特徴がり
性差がその1つだが
男性では女性よりも
教育水準や社会経済的地位の
要因が大きく影響する
高齢者の人格像・・・
①高齢者の内向性
②抑うつ的、心気的傾向
③慎重、用心深さ
④頑固
これらの
人格特徴に関して
社会的な役割の喪失や知的能力の低下
文化や社会制度の違いなどによって
生ずる変化であると考えられるコトを指摘している
心や人格の変化については
加齢変化なのか
社会環境変化によるものなのか・・・
因果関係を明確にしていきたいところでもある・・・
感じたコト・・・
置かれている
生活環境や人間(対人)関係等により
心や人格の個人差が生まれるような気がする・・・
つづく・・・

