毎日テレビやネットニュースを見るたびに、報道される
感染者の数
死亡者の人数
妊産婦の方や、産後の方、新生児など感染する方が増えてきて、不安も募ってしまいますよね
元大学病院で働いていた看護師としてできること
それは
感染後の治療についてお知らせすること。
病院勤務時代はたくさんのいろいろな病気の方を看てきました。
心配と不安と恐怖はそれぞれ意味合いが違います。
でも、3つに共通していえることは
どれも 『目に見えない』
『形』や『対応方法』を知らないから起こること。
感染症で全世界がこのようなパニック状態になるのは、日本も含めて原因や対応方法が今までの方法では対処しきれず手探りであったことも大きな要因ではないかと思います。
私は今最前線で働いてはいません。
ほんの1例かもしれませんが
目に見えない心配や不安や恐怖が具体的な治療方法を知ることで軽減できたらと思います。
肺炎にはいろいろな種類があります。
細菌性、ウィルス性、誤嚥性などなど・・・
肺は呼吸をするために大切な臓器です。肺に炎症が起き肺炎となった場合、炎症がおきた部分の肺は呼吸のサポートができなくなります。
炎症が起きた部分が多いと、それだけ呼吸のサポート『ガス交換』ができなくなります。ガス交換とは酸素と二酸化炭素の交換のことです。大気中にある酸素をすって、二酸化炭素をだすことです。
肺炎になると、ガス交換ができなくなり血液中の酸素濃度が低くなります。血液中の酸素濃度のことを酸素飽和度といいます。
私達が今呼吸をしている大気中の酸素濃度は21%です。21%の酸素濃度では血液中の酸素濃度が保たれなくなったとき酸素療法と言って酸素を補うための治療が行われます。酸素飽和度の正常値は95%以上とされていますが、基礎疾患がある場合例えば心臓疾患や喫煙者、肺に病気をもっている人、手足が冷たい、マニュキアをしている人などは必ずしもこの値にはあてはまりません。
呼吸のサポートが必要と判断するためには採血、レントゲン、CTそして本人の呼吸苦の有無、私達医療者からみる呼吸状態、肺の音、皮膚の色など指標です。
呼吸をサポートする治療の種類は
・酸素療法(酸素ボックス・酸素マスクや鼻に着けるタイプのもの、袋がついたタイプの酸素マスクなど)
・呼吸器(ネーザルハイフロー・BIPAP・NPPV)
などの種類があります。酸素ボックスは小児科やNICUでよく使われる酸素療法です。
大気中の酸素濃度で酸素飽和度が維持できない場合、21%濃度以上の酸素を吸わないと呼吸できないのです。
酸素療法でマスクなどを使用しても酸素飽和度が維持できない場合、呼吸器を使ったサポートが必要となります。
呼吸器を使ったサポートには、鼻に交流量のジェット噴流をながすネーザルハイフローと鼻と口を覆うタイプのマスクを使うNPPVと口に管を入れて(挿管)サポートするタイプがあります。
挿管して治療するタイプの呼吸器はの管を口の中に入れるので意識がある状態だと苦しいです。それは、異物が入っている苦しさと、自分での呼吸と医学的にサポートが必要な呼吸器の設定が合わないためです。
そのため、挿管し呼吸器管理を行うときは自分の呼吸を少し休んでもらう必要があります。
これを『鎮静』といいます。
挿管してまでなぜ呼吸器で呼吸の管理をしなければならないのかと思う方もいるかもしれません。
でも、正常な呼吸ができない状態で無理が続くと低酸素性虚血性脳症という状態になり、意識がなくなることや肺での呼吸を通常より頑張りすぎると心臓にも影響を及ぼすこともあるためです。
鎮静には手術のときに使う薬が必要です。自分で呼吸できる少しの余力を残して鎮静するタイプの薬、完全に眠らせて呼吸器のサポートに合わせるための薬などいろいろな種類があります。中には麻薬もあります。医療用麻薬です。
挿管して呼吸器管理をすると21%から100%の範囲で酸素濃度を調整します。
また、呼吸器での酸素療法で必要なのは酸素濃度だけではありません。いくつもの呼吸に必要なサポートをする機能が呼吸器にはついていて、呼吸状態にあわせ設定をしていくのです。
②に続きます。