◎古典の知恵から学ぶ生き方:千利休が祈った北野天満宮と「守破離」の真意 連載掲載媒体:Yahoo!ニュース・Yahoo!ネタりか・エキサイトニュース・ライブドアニュース・インフォシークニュースなど 「守破離」という言葉を聞いたことがあるだろうか。武道や禅の教えとして知られるこの言葉は、「師や流派の教え、型、技を忠実に守り(守)、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させ(破)、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる(離)」という、修行における段階を示したものとされている。(小学館デジタル大辞泉より) 実は、「守破離」の本質は、わび茶の完成者 千利休(1522-1591)が、和歌の形式に教えをまとめた「利休百首」に記されている。しかし、「守破離」がよく取りざたされる一方で、この和歌「規矩作法 守りつくして 破るとも 離るるとても 本を忘るな」の意味を知る人は少ない。千利休がもっとも伝えたいことは、「本を忘るな」ではないだろうか。「本を忘るな」、それは「本質・真理を見失うな」ということ。この「本」には、基本・根本・模範・まこと・幹・よりどころ・起源、という意味がある。「身をもって学んだ、礼儀作法やしきたり、物事の仕方。神仏の加護に感謝し、道を極めることができたならば、掴んだ教えを守り続ける生き方も、打ち破る生き方も、遠ざかる生き方も、道しるべ、模範となるだろう。本質・真理を見失わなければ、どの生き方、どの道を選んでも、正しいものにできるのだ。」と私は受け取った。 一番の教科書であり、支えとなる本質・真理は、自分自身の心。千利休は、「心と常に向き合い、正し、歩み、道を選ぶこと」を私たちに諭したかったのではないか。心さえ定まっていれば、心を忘れることがなければ、どの道も正解にできるのだと、心を師とすることがあるべき姿と、私たちに伝えたかったように感じられるのである。 利休百首は、「その道に 入らんと思ふ 心こそ 我が身ながらの 師匠なりけれ」の一首からはじまり、「守破離」で終わる。この2つの和歌が伝えたい想いは「心のまま、素直に、正直に生きなさい」であろう。出会いと別れの季節、今の恋愛をそのまま継続させるか。新たな出会いを探すか。心機一転、起業するか。本質・真理を問うこと、心に素直に向き合うことが、桜咲く春を迎えるヒントに思える。 【千利休ゆかりの聖地】 北野天満宮(京都) 神前にて、千利休が茶会(北野大茶湯)の成就祈願をしたと言い伝えられている。自身の心、本質、真理が周囲に伝わるよう祈願をするのにおすすめの聖地だ。50種類、1500本の梅が咲き誇る梅苑が見頃。とりわけ、紅白の花が1本の枝に咲く「おもいのまま」は必見である。菅原道真ゆかりの地でもある北野天満宮。「こちふかば 匂ひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春を忘るな」、東風に運ばれて届く梅の香りは、あなたの背中を押す女神の力だろう。 ◎連載記事 デイリーニュースオンライン掲載 http://dailynewsonline.jp/article/1101284/?page=all #神社 #神道 #japan #shrine #hyakuninisshu #北野天満宮 #千利休 #菅原道真 #京都 #パワースポット #守破離 #古典

古典作家・歌人 大濵彩花さん(@ayakaohama)が投稿した写真 -