高みをみる。ハート






■1月16日(土) 13:30受付開始、14:00開始



「アジアの社会起業家:ICTを使った高齢化社会への挑戦」



スピーカー:馬錦華氏

/香港 シニアシチズン・ホームセーフティ・アソシエーショ

ン事務局長

(逐次による英日通訳)



日本でも、2030年には独居高齢者が、全人口の15%を超

えるとされています。誰にも等しく訪れ、避けては通れない「

老い」という課題。第3回のISL社会イノベーター塾では、香港

・中国を舞台に、高齢化社会というアジア先進国に共通する課

題に、事業的な方法論で取り組む社会起業家をお招きしてお話

を伺います。



今回のスピーカー、馬錦華氏は、ソーシャル・ワーカーとして

仕事をしていた1993年、香港を襲った大寒波に、一冬で1

00名以上の独居高齢者の孤独死という事態に直面し、この社

会課題の深刻さに大きなショックを受けました。



馬氏は、この事件を受けて、従来型の社会福祉サービスだけで

はなく、ITを使った、事業的な方法論での問題解決が必要と痛

感、電話回線と接続した機器を各戸に設置する、有償の緊急連

絡サービスを提供する事業を97年から開始しました。企業か

ら最先端のコール・センター設備を導入、会員のデータを蓄積

、発信番号通知によって病状や親族、かかりつけの医院等の情

報が瞬時に共有されるシステムです。



現在では総人口が700万余の香港で6万人以上の会員を得る

ほどに普及、事業高は年間8億円を超え、さらに中国広東省と

上海市において、現地政府からの要請を受け、同様な事業展開

のコンサルティングを行っています。



現在では、緊急時の連絡の他、医療アドバイスや話し相手にな

るなどのサービスを提供、一人暮らしをしている高齢者の暮ら

しを「安心」で「安全」なものとしていく活動に取り組まれて

います。その手法はIT技術によるソーシャル・ビジネスの事例

としても突出しており、国内外からも大きく注目を集め、ISL

とも提携しているスイス・シュワブ財団から、アジア地域にお

けるSEOY受賞者として表彰を受け、世界経済フォーラム主催の

会議にも招聘されています。



全ての世代の人々が健康に年を重ね、安心して生活することが

できる社会を創るためには、私たちひとりひとりがこれからど

のような努力をしていかなければならないのか、日本以上に高

齢化が進む香港での経験に学び、皆様とともに議論し考えたい

と思います。



■2月8日(月) 18:30受付開始、19:00開始



「BOPビジネスによる途上国医療への挑戦」



スピーカー:デービッド・グリーン氏

米国 オーロラブ社、プロジェクト・インパクト代表

(同時による英日通訳を予定)



「医療と薬品を、貧困層にも行きわたらせる」というミッショ

ンを持ったベンチャー企業「オーロラボ」を92年に設立した

デービッド・グリーン氏は、ミシガン大学大学院で公衆衛生を

学んだ後、赴任したインドで、主に白内障を原因にした失明の

多さに着目しました。



本来は水晶体レンズをはめこむ外科手術で視力回復が可能な白

内障が、途上国の人々には高額なレンズが購入できないために

失明してしまう、この課題を解決するために、グリーン氏は技

術者のチームと協力、リバース・エンジニアリングの方法論で

、通常300ドル以上する人工水晶体レンズを5ドルで生産で

きる技術を確立しました。



特に、インドの眼科病院と提携、患者の収入に応じて本人負担

を3段階に分けた手術費用を設定、47%の患者に無償で施術

、残りの53%をを有償とすることで貧困層にも恩恵が受けら

れる価格設定とし、現在ではインドだけで年間27万例以上も

の手術実績を上げ、レンズはインド以外の途上国にも輸出され

ています。



グリーン氏はこの方法論を聴覚障害にも適用し、先進国で20

00ドル以上する補聴器を、45ドルという低価格で生産する

技術を確立、その他にも近年は安価なエイズワクチンの製造に

も取り組むなど、多方面に活動を展開しています。



「倫理的グローバリゼーション」の考え方に基づいたこれらの

活動は、近年産業界の注目する「BOPビジネス(BOP:Base of the

Pyramid)

」の先行事例としても世界的にも高く評価され、グリーン氏は

2002年にアショカ・フェローに認定されています。



40億とも言われる途上国の人々が、かの地に生を受けたため

に医療を受けられない。日本という先進国に暮らす私達が、そ

のことに思いを馳せる瞬間が私たちにはどれほどあるでしょう

か。



医療とは「贅沢品」ではなく、あまねく人々に享受されるべき

もの。そして事業とは、医療をはじめとする人々のニーズを満

たすために起こされるもの。その本質に立ち返り、地球に住む

すべての人々が、健康に幸せに暮らせる社会の実現のために、

ビジネスに、そして医療に何ができるのか、皆さんとともに考

えたいと思います。



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ISL社会イノベーター塾



(ISL社会イノベーター・フォーラム)



■日時:



第3回(スピーカー:馬錦華氏)

2010年1月16日(土)13:30受付開始、14:00開始



第4回(スピーカー:デービッド・グリーン氏)

2010年2月8日(月)18:30受付開始、19:00開始



■会場:



ISLクラスルーム(千代田区紀尾井町4-1 新紀尾井町ビル5階)


または都内の会場を予定。

(場所につきましては、お申し込みを頂いた方に、追ってご連

絡を差し上げます)



■コーディネーター:伊藤健

(ISLディレクター、社会イノベーションセンター統括)



■会費:



第3回:一般2000円、会員・学生1000円

第4回:一般3000円、会員・学生2000円



■定員:



各回100名

(先着順に受付、定員に達し次第締め切りとさせて頂きます)



■主催:



特定非営利活動法人アイ・エス・エル 社会イノベーションセ

ンター



ISL社会イノベーションセンターの活動は、三井物産、リク

ルートを中核に、サントリーホールディングス、日立製作所、

ミスミグループ本社を含めた先進企業5社のご厚意によって支

えられています。



■協力:



一橋大学イノベーション研究センター

早稲田大学WBS研究センター

東京工業大学 社会理工学研究科 社会工学専攻 国際的社会起

業家養成プログラム



■後援:外務省、経済産業省



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《お申し込み》



ご参加ご希望の方は、下記のURLより必要事項を記入の上、

事前にお申し込み下さいますようお願い致します。先着順に受

付いたします。



URL:https://pro.form-mailer.jp/fms/9bc8ac845983




《ISL社会イノベーター塾について》

(社会イノベーター・フォーラム)



ISL社会イノベーター塾は、国内外で活躍する社会起業家をス

ピーカーに招き、その活動内容、事業モデルとそのユニークさ

、その社会的インパクトと意義などについてご講演頂くフォー

ラムです。



フォーラムの内容は、日本経済新聞社の広報後援を受け、同紙

夕刊に「社会イノベーター塾」として、2009年11月より

隔月で、掲載をしてまいります。

(第1回:2009年9月2日実施のMatt Flannery氏の講演

は11月26日に掲載。

第2回:2009年12月10日実施の鈴木亨氏、飯田哲也氏

の講演は1月中旬に掲載予定)