リヨンには丸一日しか滞在しませんでしたが、その中でも見たものをいくつか。

⚫オレンジキューブ
設計:ジャコブ+マクファーレン
2010年
行き方:リヨン・ペラーシュPerrache駅から徒歩
外観のみ


波動砲どーん!って感じですね。
オフィスと展示場が入っている建物です。


ソーヌ川沿いのこのエリアは、物流倉庫街を再開発して続々と新しい建築が出来ているところです。オレンジキューブの隣には船からの積み下ろしのためのガントリークレーンが保存されています。


川沿いに、真新しい元気な建築が並びます。

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⚫ユーロニュース本社
設計:ジャコブ+マクファーレン
2014年
行き方:リヨン・ペラーシュPerrache駅から徒歩
外観のみ


上のオレンジキューブと同じ設計者の作品。同じ並びにありますが少し離れています。
新聞社のオフィスです。


こちらは穴がふたつ。
新聞社らしく、世界を見る目を表現しているそうです。


穴は曲がって屋上まで貫通しており、オフィスの内部に自然光をもたらす役割を果たしています。
ふたつの穴が平面的に繋がっていたらもっと面白かったかもな、と少し思いましたがそれだとプランが成立しませんね。。


ガラス張りの外壁の外側に黄緑色のパンチングパネルというファサード構成。
左下の方の少し隙間が空いているところは避難口として開くところです。

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⚫インターナショナルスクール
設計:ジュルダ&ペロダン
1992年
行き方:リヨン・ペラーシュPerrache駅からトラムT1(Debourg行き)でHalle Tony Garnier下車すぐ
外観のみ



合流博物館からローヌ川を挟んで対岸にあります。

ジュルダ&ペロダンはここリヨンを拠点に活動する夫婦の建築家で、省エネデザインを得意としています。
吊り構造の低層棟の屋根上は芝生になっています。


教室棟には大きな日除けの庇が付いています。
曲面になっているのは薄いパンチングパネルだけで強度を持たせるためか。

引張り材の接合部がある骨や、根元にあるキャットウォークの支持材は、この建物のために型起こしされたもののようです。
建物自体がくねくね曲がっていますが、それに追従できるようにシステム化されています。


技術的にはそれほど革新的なことをやっているわけではありませんが、色々と挑戦した跡が見えます。
建築家と構造設計者が「こんなのできる?」なんてやりとりを密に繰り返してできた建物なんでしょう。

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⚫トニー・ガルニエ・ホール
設計:トニー・ガルニエ
1913年
行き方:リヨン・ペラーシュPerrache駅からトラムT1(Debourg行き)でHalle Tony Garnier下車すぐ


上のインターナショナルスクールのすぐ近くなります。

一気に時代が古くなります。
トニー・ガルニエは19世紀末~20世紀初頭に活躍した建築家・都市計画家です。
ローヌ川西岸のこのエリアは当時未開発の状態から工業地域として整備されました。そのマスタープランを作ったのがこの人。

建築としてはこの作品のみが実現しました。
用途は食肉処理場でしたが、現在は展示会やコンサートなどのイベントが行われるホールとして使われています。
公式サイトにイベント情報あり。このときは閉まっていて外観しか見られませんでした。

採光のために段々の屋根形状をしていて、その端部がそのまま立面に現れています。
建物本体は優雅な外観をしていますが、道路に面して守衛所と大きな門扉があるので元が工場だったことが分かります。


道路の反対側に渡ってみてビックリ。
段々屋根のファサードと両側の付属棟がつくるパースが見事に組み合わさって「W」の形をつくり、前には3棟の守衛所を従えて堂々とした姿を見せています。
明らかにここからの見た目を意識しています。
「工業時代の建築はこうあるべきだ!」という意思を感じますね。

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⚫リヨン旧市街


ラ・トゥーレット修道院で知り合った二人と一緒に見て回りました。
面白いところはたくさんあったんですが、写真はこの1枚だけ。。おしゃべりに夢中だと写真撮らなくなりますね。

旧市街はサンポールSaint Paul駅周辺、ローヌ川の両岸の狭い範囲に広がっています。
近代化改造が行われたパリとは異なり、旧市街と新市街がはっきりと分かれています。

リヨンは織物工業で栄えた街なので、旧市街にはその特徴が現れています。
製品を効率よく運ぶためのトラブールという貫通通路があったり、製品を荷車で高層階まで運ぶためにらせん状のスロープがあったり。

旧市街のほんの一部しか見ていませんが、なかなか見応えがありました。
現在は使われておらず、観光地化されておみやげストリートになっていましたが。

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1週間で3都市という予定だったので仕方ないですが、やっぱり1日では全然足りませんでした。諦めたものも幾つか。
リヨンにはもう1日欲しいところでした。