前回からTGV繋がりで。
パリ→リヨン TGV

⚫リヨン・サンテグジュペリ空港TGV駅
設計:サンティアゴ・カラトラヴァ
1994年
行き方:空港直結、パリからTGVで直結。
リヨン市内からは、パールデューPart Dieu駅前から高速トラムのローヌエクスプレスRhonexpressで30分


これは見て良かった。完璧すぎる造形に息を呑んでしまいます。

半地下のTGVホームの中央をまたぐように、鳥が翼を広げたような形の屋根が架かっています。
屋根が外側へ張り出しているのとバランスを取るように、手摺は内側に傾斜しているんですね。


サン・テグジュペリさん。
「星の王子さま」の作者ですね。ここリヨンの出身です。

この建築が見たくて、リヨン市内ではなく空港発着のTGVを選びました。
前回、TGVの路線は都市部を迂回して建設されていると書きましたが、ちょうどそこに空港があります。
(ちなみにパリを迂回する路線は同じようにシャルルドゴール空港を通っています。)
利用者にとっては便利ですが、航空会社と競合しないんですかね。

リヨン市内からは、空港直結高速トラムのローヌエクスプレスRhonexpressで30分くらいです。
リヨン・パールデューPart Dieu駅の東口を出て、道路を渡ったところに乗り場があります。市内のトラムとはチケットが違うので要注意。


時刻表はこんな感じ。


外にあるタクシー乗り場?の屋根のかたちは建築本体のミニチュア版になっています。


入口。壁の傾斜を利用して自動ドアと照明を仕込んでいます。さりげなく上手い。


中央に竜骨のようなトラスを架け、さらに両側のコンクリートアーチから柱で突っ張りながら屋根を張り出す構造です。


張り出し部分は張弦梁の構造になっていて、柱と屋根を固めています。
普通こういう構造はガラスの内側に入れると思うのですが、そうせずに外に出したところにセンスを感じます。これが繊細な外観づくりに一役買っています。
ただ、それだけではごちゃごちゃした印象になってしまうので、屋根の先端に構造的には意味のなさそうな部材をスッと1本通してデザインをまとめています。


柱のピッチはけっこう広く、3mくらいあります。ガラスの強度限界で決めたんでしょうね。

ところで、どこを探しても空調の吹出口が見当たらなかったんですが。。
どこにどうやって隠したのか。


魚の骨を思わせる構造です。


跳ね出した床の裏も魚の骨っぽい。


雨樋はこの柱脚部の中に隠しているようです。


プラットホームの屋根。光と影が折り重なりながら消失点に向かっていく、素晴らしいデザインです。光の効果と、人の視線を計算し尽くさなければできません。
あと、よく見ると柱が互い違いに立っているんですね。


こんな風に。柱が2スパンに1本しかないので、軽快さが増しています。


なんか自転車みたいなものを漕ぐところがありました。
電車の待ち時間に運動しながら発電して携帯を充電できる、というもののようです。

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リヨン・サンテグジュペリ空港TGV駅を駅を描く。