オフクロの命日は11月16日。
あれから1年が経つ。
「昨日の夕飯、何食べたっけ」
と聞くようになっているオレが、なぜかオフクロが亡くなった日の朝から寝るまでの全てを覚えている。
あの日、亡くなる直前のオフクロの様子、亡くなった後の穏やかな顔。
女房、娘、妹の泣き顔。
亡くなった時の病院の先生と看護師からかけて頂いた言葉。
冷たい風が吹く中で先生を始め何人ものスタッフがオフクロを見送ってくれたこと。
全てが昨日のことの様に思い出される。
命日に少し早いが今日13日に一周忌を実家で行った。
近くに住む親戚の人たちが参列し法要開始。
和尚さんのお経が始まった。
お経が流れる中、ふと顔を上げて遺影のオフクロを見た。
そしたら
「みんなも そろそろ こっちに おいでや」
と言ってる。
それに対してしっかり答えておいた。
オレはまだ行かんぜよ。
ひょっとしたら親戚の人たちも同じ言葉をかけられ、オレと同じ気持ちで遺影を見ていたかも知れない。
法要も最後。
オレの挨拶だ。
「本日は母の一周忌にお集まりいただき、ありがとうございました。オフクロは久しぶりに皆さんに会えてうれしくて
『久しぶりじゃんかね。ゆっくりしてかし』
って言ってると思います。本来なら食事などの席を設ける所ですが、コロナ禍でそれができません。お茶でも飲みながら皆さんで少し話していただければと思います。(みなさんたちも)もう会えるのがこれが最後かもしれないし(←年寄りが多いので爆笑だった)。……」
皆さんをお見送りする時にオレは言った。
「次に会うのはオヤジの時だと思うので」
皆さん、笑いながら帰られた。
こうして一周忌が無事終了。
本来なら親戚衆や家族と精進落としを賑やかにやる所だが、コロナ禍、妹家族とささやかな精進落としをして家路についた。
↑帰りの高速道路