今日は稲こき。
屁こきではない。
いい天気だ。
ガンの手術で入院していた時、病室から毎日ぼーっと空を見ていた。
曇り空を見れば気持が沈み、雨の日はなおさらである。
不安がそうさせていたのだろう。
晴れていても散歩に出られない。
散歩をしている人が見えれば、うらやましく思ったものだ。
稲こきをしながらそんなことを思い出していた。
作業の合間に空を見る。
どこを見ても雲ひとつない青空が広がっている。
なんて気持がいいんだ。
つい笑顔になる。
脱穀機の勢いのよい音が田んぼに響く。
古い機械だが、まだ頑張ってくれている。
天日干しした籾が勢いよく袋に落ちている。
女房、息子、息子の嫁、娘、オレの妹、妹の旦那、みんな黙々と動いている。
親父は畦に座って稲こきを眺めている。
こんな風景もいつか思い出になってしまうのか。
ふとそんなことを思った。
令和4年10月2日撮影