昨日の暴落に対し、ふと、外国人投資家もしくは投資機関が与えている影響を調べてみましたので、それをまとめます。


最近株のボラティリティ(変動幅)が大きいと感じている方は少なくないハズ。私もその1人です。昨年の日経大幅上昇あたりから感じてはいましたが、最近は特にひどい。


暴落が起きると、新ニーサで新規参入組の損切り等、様々議論されています。実態はどこにあるのでしょうか。まずはシンプルに数字だけを追いかけます。便利なことに財務省ではホームページで毎月の統計を出しています。これを見るとボラティリティを大きくしている原因に検討がつくはず。

統計表一覧(対外及び対内証券売買契約等の状況)


ここから最新として公開されている7月のデータを参照します。



データをみるとあっさり答えが見つかりました。

ボラティリティの原因は外国人投資家or外国機関だった!(長いので、以下外国人と省略)なんと、外国人は日本人投資家の7.6倍の取引額になります。日本人や新ニーサ参入組がどうのこうの以前に分母が大きすぎる!この取引額ならボラティリティは大きくなるのも納得です。アメリカの経済指標で日本株がつられるのも良く分かります。


では、新ニーサ含む投資家はどの程度日本株を保有しているのでしょうか。取引額が7倍なら保有数は過半数を、超えてもおかしくない気がします。ですが、四季報の大量保有株主ではそんな印象を持った記憶がありません。これについて日本取引グループがレポートを出しています。

2023年度株式分布状況調査の調査結果について


最新のデータを参照します。2023年度株式分布状況調査の調査結果について<要約版> のファイルをみると外国の日本株保有比率は31.8%

。思ったより低いですが、この約32%の保有数に対して日本人の7.6倍の売買がこのボラティリティを生み出しているんですね。どうりで保有している中でも内需株の4912ライオンは暴落しても無風なはずですね。

ちなみに新ニーサ含め新規参入した日本人投資家は462万人で日本人個人投資家全体で7445万人なので6%増となっています。思ったより投資熱が来ているんですね。


まとめますと、

1.取引額において外国人は日本人の7.6倍の金額を売買している。

2.外国人は7.6倍の取引額をしているにも関わらず、保有比率は31.8%

3.新ニーサ含め日本人投資家の新規参入組は6%

以上より、ボラティリティを大きくしているのは外国人が大きく寄与しており、取引額の13%(7.6倍の逆数)の中でも新ニーサは6%であり、新規参入組の影響は0.78%と極めて軽微と考えられます。


データをみるともっと色々書きたくなりますが、これ以上は餅は餅屋に任せます。弱小投資家の経済分析など需要はないですので(泣)では、このへんで。