この映画の話を耳にしたとき、「ああ、松本人志のシンボルへの挑戦だな」って思ったんですよ。

シンボルのテーマは白い部屋からの脱出でしたもんね。

いかにして主人公があの部屋から脱出するかをコミカルに描いていました。


っで、板尾さんのこの映画が「脱獄王」でしょ。

いかに牢獄から脱出してみせるかという映画なのでしょう。

テーマがかぶってます。

こりゃぁ、板尾創路による松本人志への挑戦だと思ってしまっても無理はないでしょう。


でも・・・違っていましたね。

脱獄の名人と言えば、私にとってはワイルドセブンの飛羽ちゃん。彼は少年刑務所からたびたび脱獄して、何か用を片付けると颯爽と少年刑務所に戻ってきたという。残念ながらその特技は本編中で生かされる事はなかったですねぇ。


っと、閑話休題。

さて、例によってネタバレなので改行します。












脱獄王と言いながら、脱獄の過程はあまり丁寧に描かれていないんですね。

手口はかなりはしょられますが、脱獄にかける異常な情熱は次々と描かれていきます。

なぜ脱獄するのか?

なぜすぐに捕まるのか?

その理由は最後の方まで明かされることなく、物語は淡々と進みます。


ギャグらしいギャグは全くなく、最後の最後にギャグをかましてくれるのですが・・・ちょっと滑ってるかな。

けっして爆笑にはならないです。

っていうか、落ちに行く前に落ちが分かってしまうのが惜しい。

あそこは観る人に考える暇を与えないテンポが欲しかったなぁ。


あと、「シンボル」での松本人志もそうでしたが、なぜ、あんな嫌悪感を誘う映像を入れるんだろう?

また唐突に中村雅俊の「ふれあい」を板尾創路が歌い出すんですが・・・あれってギャグ?笑うところ?

時代は第二次大戦前から戦時中でしょ。この歌はまだ誕生していないわけだが・・・さて、何の意図でこの歌を唐突に歌ったのか・・・理解不能!


また板尾創路が演じる鈴木某・・・身体能力高すぎ!^^;


映画としては「シンボル」よりいいかな?

話としては「シンボル」より劣るかな?

石坂浩二をはじめ、言い役者さんも沢山出ているのに、要所要所に芸人を配し過ぎなのも気に入らないなぁ。