勝新の座頭市シリーズ、まぁ、好きでもなく嫌いでもなくという程度。
一番好きだったのは三船敏郎と競演した「用心棒と座頭市」でしたね。
なにしろあの用心棒と座頭市、夢の競演ですからね。
これはインパクトがあった。
レンタルビデオで借りてみたんだけど、内容なんかもうろくに覚えてはいないけど、この二人に競演にはワクワクしながら観たのをよく覚えてます。
そんな訳で座頭市になんら思い入れもない私。
思い入れがない分、綾瀬はるか主演の「ICHI」は案外すんなり受け入れられたようです。
面白かったですよ。
予想以上に楽しかった。
変な事しないで、王道のストーリーに王道の演出。
実にテンポよく話は展開していく。
CGの使い方もうまかったなぁ。
音楽も無茶苦茶素晴らしいというのではないけれど、しっかりと本編をサポートして盛り上げていた。
綾瀬はるかに刀をきちんと扱えるのかと心配してたけど・・・ありゃぁ相当鍛錬したようですね。実にしっかりした太刀筋でした。
ただ、いくつか不満もない訳ではない。
以下、ネタバレ注意!
市が小太郎の家に行く。
白河組の用心棒になった十馬の歓迎宴に、綺麗な服を着た市が現れる。
このシーンを効果的にするためにも、綾瀬はるかの顔や手を少しは汚しておいて欲しかった。
ボロボロの小汚い服を着ているのに、顔も手も綺麗って不自然だよね。
たぶん事務所がNG出したんだと思うけど、演出意図をきっちり説明して、汚しをかけて欲しかった。
序盤の姿が汚ければ汚いほど、綺麗な服を身にまとった市の美しさが際だつと思うんだけどなぁ。
そんな感じで、あともう一歩踏み込んでくれれば、もっと良いのに・・・って思わせるシーンがいくつかありましたね。そこがちと残念。
でも、面白い映画でしたよ。