昨年より議論を続けてきた女性活躍と経済好循環に関する大臣検討会の提言が概ね固まりました。金融経済の専門家の下で、女性の役員登用拡大、女性起業家支援、女性デジタル人材育成などの骨太の議論を行い結論を得ました。例えば、女性役員の登用目標を、従来の東証一部上場企業平均で12%から、プライム企業対象に個社毎に2030年迄に30%以上と大幅に引き上げました。
こうした案が報じられると「能力でなく性別で目標を立てるのはおかしい」と指摘されますが、固定的性別役割分担意識(共働き世帯の育児家事負担は女性が男性の5倍以上で時短勤務者も多い)やアンコンシャスバイアス(男性管理職ばかりの職場で女性が昇進を望みにくい)により、性別で能力差が無いにも関わらず、1割程度しか役員になれず、能力発揮の道を閉ざされてきたのは女性の方だと認識しています。実際に、女性活躍を促進している企業のパフォーマンスは日本でも海外でも平均より高くなっています。
このままのペースでいけば今の10%程度から30%に到達するのに20年かかります。欧米先進国は現状でも30〜50%です。これは、女性のためだけの政策でなく、一人ひとりの能力を最大限活かし経済社会全体に活力をもたらしていく社会変革のための政策と考えています。そのために、上場規則を改正して目標を盛り込むことを検討しています。もちろん重要なのは役員だけでなく各管理職における女性登用ですし、女性社外取締役の取り合いになってもいけません。したがって、パイプライン構築も含む行動計画も各企業に策定していただくこととしています。
この提言を受け、男女共同参画・女性活躍担当大臣として、今年の女性版骨太の方針に盛り込み、責任をもって諸施策を実現していきたいと思います。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA18AWR0Y3A510C2000000/