昨日の消費者問題特別委員会で「取引デジタルプラットフォーマーを利用する消費者の利益の保護に関する法律」が採決されました。私も自民党を代表して質疑に立ちました(その模様は動画をご覧ください)。
 コロナ禍の前から、オンラインモール等のインターネット取引が増加するにつれ、購入した商品に不備がある、販売業者と連絡が取れないなどの消費者相談も増えてきました。こうした中で売買を仲介するプラットフォーマーの役割も大きいものがありますが、一対一のリアルな売買を前提とした消費者法の世界ではそのプラットフォーマーの責任は曖昧でした。一昨年の消費者問題特別委員会で私はインターネット取引の法整備の必要性を提起しました。それから2年が経ち、新法を国会に提出した消費者庁の努力を評価したいと思います。
 この法では、CtoC取引が除外対象となった、義務が努力義務に留まる、SNSや動画サイト等の非マッチング型のプラットフォームが対象外となった点が不十分だとも指摘されています。この点は自民党の消費者問題調査会でも議論しましたが、BtoC取引を前提とした消費者法の枠組み(そもそも消費者基本法がそういう建てつけになっています)ではこれらを直ちに取り入れるのは無理があります。質疑の中で私は検討会を立ち上げて消費者法の枠組みを根本から見直す検討会を立ち上げるべきであること、その間も今回の法律に定められた官民協議会を活用していわゆる官民共同規制という形でCtoC取引も含めた消費者問題を取り扱うことを提案し、消費者庁から前向きな答弁を引き出しました。
 他方で、プラットフォーマーに関する法律が足もと矢継ぎ早に成立・改正されています。こうした法律の間で齟齬、重複や過剰があれば、事業者の負担が重くなりイノベーションの芽を削ぎ、かえって消費者利便を損ねる結果となります。この点、消費者庁は他省庁と十分に調整するよう指摘もいたしました。
 この日はブロックチェーン(分散型記録台帳)に関する議連を立ち上げ、また金融調査会で東芝のCTOから量子暗号技術の現状を伺いました。技術は日々進歩します。新たなサービスが生まれれば、そこに新たな消費者問題が浮上します。しかし、好むと好まざるとデジタル化はこれからも一層進みます。車が登場した時に「馬より速いスピードで走ってはいけない」との法律が作られた地域もあったそうですが、今は車をいかに安全に走らせるかといった観点から様々な法律ができています。消費者行政もデジタル化を前提にご年配の方も含めた消費者保護を如何に図るかに一層注力すべきと感じます。