インド政府の議員交流プログラム(Visit India Program)にご招待いただき、1980年代生まれの議員5名でデリー、ワラナシ、ベンガルールの3都市を訪問しました。
インドの国会では30年以上も広島・長崎の原爆犠牲者に向けて黙祷を捧げました。8月6日に我々もインドの国会議員の方々と黙祷を捧げました。
また、スズキの海外工場、デリー郊外のベンチャー企業、国立宇宙研究機関、インキュベーション施設等を見学しました。モディ首相は「Make in India」、「Incredible India」をスローガンに経済成長重視の政策を打ち出しています。日本のマイナンバー制度に加えて指紋認証や虹彩認証も行えるアダールという制度をスタートさせ10億人以上が登録しています。こうした制度を利用したイノベーションも起きつつあります。もともと毎年100万人以上の理工系大卒者をうみ出しグーグルのピチャイCEOをはじめ毎年傑出した人物を世界に送り出してきた国です。我々が想像する以上のスピードで経済成長が加速している印象でした。
他方で、ヨーロッパ全域に匹敵する広大な国土と世界第2位の人口を抱えているインドには、水、安定した電力、通信インフラなど欠けているものが沢山あります。しかし、その制約がむしろ新しいイノベーションの種になっているようにも感じます。反対に、日本は全てが満足に揃っている環境が、新しいイノベーションを阻んでいるとも言われています。こうした現象を「リバース・イノベーション」と呼ぶようです。
日本も多くの企業がインドに進出し現地で尊敬を集めていますが、製造拠点、ITのアウトソーシング先という域を大きくは出ていない気がします。この点、本国と同等のR&D(研究開発)センターを置いている欧米の企業に遅れをとっているように思います。
インド人は日本が好きです。日本のODAで開通したデリーやベンガルールの地下鉄も大変喜んでくれています。しかし、それに比べれば、両国の相互理解は未だ充分と言えません。今回の訪問では、インド政府のご厚意で、大臣、若手国会議員、州首相や市長との面談の機会を沢山作ってもらいました。こうした縁を大切にしながら、私も日印の友好に努めてまいります。
 
8月6日、広島原爆投下の日。小泉進次郎団長や平松駐印大使とともに、スミトラ・マハジャン下院議長を訪問。