民生委員をご存じでしょうか。恥ずかしながら、私は議員になるまで、民生委員という言葉を耳にしたことはありましたが、仕事内容については良く理解しておりませんでした。民生委員は平たく言えば、地域における頼れる〝よろず相談所〟です。障害者福祉、高齢者福祉、児童相談から、生活困窮者の自立支援まで、その地域で困っている人のお宅を訪問し、相談にのり、必要とあれば関係機関につなぐ役割をしています。
 民生委員は全国で約23万人います。市町村推薦委員会や都道府県の推薦を受けて厚生労働大臣が委嘱する特別職の地方公務員ですが、交通費などの必要経費が支給されるだけのボランティアです。大正5年に済世顧問制度としてスタートしたこの制度は、日本独自の制度であり、まさに日本の共助の大きさを表す制度といえます。
 しかし、近年は、高齢化の進展に伴い相談件数が増加しているほか、児童虐待の問題など相談内容の高度化や複雑化も進んでおり、個々の民生委員の負担が増してきております。そうした中、民生委員の成り手がいないとの問題が深刻化しています。
 これまで、民生委員の善意に頼り行政の支援が十分だったとは言えません(民生委員が職務中に事故にあった場合の保険も最近整備されたばかりです)。佐賀市では民生委員の負担を軽くするため、タブレットを使ったモデル事業が行われ、好評を博しています。現在、自民党の若手議員で有志勉強会を開催しており、平成29年には100周年を迎える民生委員制度がこれからも日本の共助の中心であり続けるために何が出来るのか議論・検討しています(写真は、福岡県大牟田市や佐賀県佐賀市への視察出張の様子です)。