これまで高速道路の料金水準は、その道路の整備経緯に合わせて設定されていましたため、同じ距離であっても新しい道路の利用料のほうが割高になっていました。例えば、現在の料金体系をみると、厚木から桜土浦まで行くのに、首都高を経由すると3560円なのに対し、圏央道を使うと5210円もかかります。これでは、東名高速方面から東北方面・茨城方面に向けた移動に、首都高を使わずに圏央道で迂回してもらうことで、首都圏の渋滞を緩和しよう、という政策目標が十分に達成できません。私もかねてより国土交通省に料金設定の見直しを働きかけてきました。

 その結果、9月11日に国土交通省から「首都圏の新たな高速道路の料金に関する具体的方針(案)」が示され、来年4月から、町田市などから都心に向かう首都高や圏央道の交通料金が値下げされることになりました。首都高では東名→都心環状線圏内の区間が720円→600円と120円の値下げになります。また、圏央道の料金が大幅に値下げされることにより、これまで東名高速や中央道から首都高を経由して東北方面に向かっていた車両が圏央道を通るようになり、首都圏の渋滞緩和も期待されます。

見直しのポイント

○東名高速、首都高速、京葉道路などの首都圏近郊の高速道路の料金体系が距離ベースに統一されるとともに、出発点と終着点が同じであればどのルートを通っても同一料金になるように設定(厚木→桜土浦はどのルートでも3930円)。

○首都高速も距離に比例した料金設定に準じるため、短距離だとさらに安くなり、短距離での利用がより便利になる(東名→都環状線内は720円→600円)。

○ETC2.0という新しい大容量の規格を使用すれば、より詳細な距離別料金や、使用頻度による割引も可能。

新料金(外環)
新料金(S-G)