GWを利用して、日豪若手政治家交流プログラムに参加してまいりました。同プログラムは、日豪両国政府が、相手国の若手政治家をそれぞれ招待し、政治指導者間の人的交流を推進するとともに、相互理解を深め、日豪関係の安定的な発展を目指すプログラムです。平成4年から始まり、甘利大臣、石破大臣や岸田大臣等これまで13回、計98人の国会議員がオーストラリアに渡っています。

 

今回は、牧原秀樹団長を先頭に、自民党、公明党、民主党、維新の党から6人で、キャンベラ、ブリスベン、シドニーを訪問いたしました。オーストラリアは日本にとって第4の貿易相手国、反対に日本はオーストラリアにとって第2の貿易相手国であるなど、両国は経済の重要なパートナーであり、中国の防空識別圏の一方的な設定に対していち早く非難表明を行うなど、太平洋における平和や自由主義などの価値観を日本と共有しうる安全保障上の大切なパートナーでもあります。民間交流も進んでおり、オーストラリアの日本語学習者は世界第4位(人口は世界第52位)の29万人と親日国です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

訪豪して改めて感じたのが、予想以上に豊かな国である、ということです。オーストラリアはリーマンショックを経てもなお23年連続で経済成長を続けている国です(年平均3.3%成長)。結果として、一人当たりGDPは世界第6位の61,219ドル、日本の2倍近くを記録しています。そして、オーストラリアでお話を伺った方々は、民間人、議員や在豪日本人の方まで、非常に自信に溢れた、未来に対して前向きの意見を持っていらっしゃるように感じました。国民を幸せにするために政治家が果たすべき役割は様々でありますが、その中でも経済を拡大し暮らし向きを豊かにしていくことがとりわけ重要であるとの認識を新たに致しました。

 

 

 

 

 

 

 

同時に、明るい将来見通しの中にも不安を抱えている点も伺いました。資源ブームが去り企業活動が低下する一方で、住宅価格はバブルの発生も疑うほど上昇し続けており、これから金融政策や財政政策の舵取りが難しくなることを伺いましたし、高齢化社会が今後到来するうえで年金介護医療の仕組みをどのように変えていくのか課題との話も伺いました。日本はバブルの発生も高齢化社会も先に経験した国ですから、(決して成功例とはいえませんが)オーストラリアに経験を伝えることもまた両国のつながりを強めることになると思いました。

 

 

 

 

 

 

 オーストラリアで面談した議員の中で、最も印象に残ったのがWyatt Roy下院議員です。オーストラリアは選挙に立候補できる被選挙権は選挙権と同じ18歳からです。Roy議員は20歳の時に初当選をして、24歳で当選2期目です。彼は家族の中で初めて高校に進学したそうです。親族に政治家はおりません。そういった中で、彼は自由党の候補者予備選挙に勝つために党員一人一人に個別訪問(Door Knocking)し、立候補に漕ぎつけたそうです。彼が「政治が如何に悪いかではなく、政治が如何に良いものかを語りましょう」と再三述べていたのは印象に残りましたし、国は違えども我々もそうでなければならないと感じました。

 

 

 

 最後に、牧原団長をはじめとする訪豪団の皆様、オーストラリアで対応してくれたAECをはじめとする皆様、地元を留守にすることを理解してくれた皆様に厚く感謝を申し上げます。日本にとって学ぶべきものは学び、日本が教えられるものは教え、大切なパートナーとして共存共栄できるよう、今回の訪豪を機に、私自身も国会議員の一人としてオーストラリアとの結びつきをより強めていきたいと思います。