10/30日に受験した「医療経営士2級」の合格通知が届きました。合格率は188%だそうです。「医療経営士」とは、「医療機関をマネジメントするうえで必要な医療および経営に関する知識と、経営課題を解決する能力を有し、実践的な経営能力を備えた人材」を育てるための資格。新設された資格なのでまだ1級の試験は開催されていませんが、いずれ挑戦してみようと思います。この資格に興味のある方は、http://www.jmmpa.jp/ をご覧ください。

 

ところで、以前、「多くの病院は経営の素人である医者が経営する。また、優れたITの専門家を雇うこともない。だから病院経営に資本が入らず、医療分野の事業が発展しないのです。」(20111113日付NEWSポストセブン、堺屋太一氏)という記事を見ました。残念ながら、この発言は医療業界のいまを正確に捉えていません。なぜなら、株式会社化しなくても既存の医療法人は相当な経営努力をしているからです。カルテの電子化などもあったため、病院がITに詳しい職員を雇うのも当たり前となっています。

昔のように診療報酬が出来高払い・右肩上がりの時代ならばともかく、今は、診療報酬のマイナス改定や包括払いの導入などもあり、病院経営者や医療従事者は民間病院だろうが公的病院だろうが、必死になって無駄なコストを削減し生き残りを図ろうとしています。医療経営に関する研究会やセミナーは無数にあります。最近になって医療経営士の資格が出来たのも、こうしたトレンドを汲んだものといえるかもしれません。

医療制度の立案者は、「病院の株式会社化=医療費の削減・質の向上」という単純な見方ではなく、「医療の公益性を維持しながら、いかに医療経営者や医療従事者による現行の経営努力を後押していくか」という視点を持つことが重要だと思います。

 


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