Arduino UNO R4のナゾ端子
端子というか、Arduino UNO R4各基板上にある謎の表面実装部品用のパットの話。
UNO R4マイコンボードを眺めていると、いくつか不思議なところがある。 それは何も部品が付いていない所が堂々とあるのだ。
Arduino UNO R4のMINIMAとWiFiのどちらにも共通しているのは、二つある。
一つ目は、I2C端子横のチップ抵抗器用パットだ。 回路図によると本来ここにはI2C通信線を5.1kΩでプルアップする抵抗が付くことになっているが、取り付けないことになったようだ。 RA4M1マイコンの仕様書によると、内臓プルアップ抵抗は無いようなので抵抗器は付けた方が親切ではあるのだが。 周辺機器側にも抵抗器が付いていたら抵抗値が下がり過ぎてしまう懸念があるからか、それとも5Vではなく3.3Vで使いたい人のためなのか、まぁ何にせよ付いてない。
二つ目は、基板裏側の♥型のパットだ。
基板裏には”イタリアでデザインされて作られたよー”の文言の下に、
「OPEN SOURCE IS ♥」という一文が添えられている。 この♥の所にはハンダが盛られていて、立体的な♥になっていてちょっとオシャレだ。
タッチセンサーか何かで使えるのかどうかはわからんが、正直今の所何のために用意されているのかわからない。 で、この♥のパットだが、独立しているのではなく、RA4M1マイコンの端子と繋がっている。
回路図を見るとわかるが、MINIMAではP204端子に繋がっていて、WiFiではP113端子に繋がっているのだ。
つまり、上記の端子をポートレジスタ直接制御すれば、この♥のパットを汎用入出力端子にすることができるのだ。
ちなみに、回路図上ではこの端子の名前は"LOVE"となっている。
ライブラリを簡単にだが調べたところ、このLOVE端子を使うような記述はどこにもない。 ほんとうに謎である。
MINIMAにしか存在しない謎パットとしては、RA4M1マイコン横にある水晶発振器用のパットである。
ここには16MHzの発振器を取り付けることになっていたが、やめたらしい。 WiFi版ではそもそもつける気すら感じられない。
もともとRA4M1マイコンには発振器を内蔵しているので、外部発振器は必要がない。 でも、周波数にシビアなプログラムとかでは内部発振器よりも精度が高い外部発振器使ったりもする。 RTCとかの為にね。
UNO R4マイコンボードでは、MINIMAには取り付けようとしてWiFiには取り付けない意図もよくわからん。 精度よりもコストを優先したのかな。
なので、今となっては何もついていないこのパットも、ポートレジスタ直接制御で汎用入出力端子にすることが可能だ。
となればだ、あとは何をするかは、もうわかるよね。