「私結婚した」
「そっか、・・・・・おめでとう」
9月27日。残暑なのか夜でも久々に蒸し暑い東京丸の内の夜。
別れて1年少し、ようやく会うことができて、
久々に顔を見ながらご飯を食べている。
思ってもいなかった言葉を聞き、僕はひどく動揺した。
それを隠そうと思って、なんとか出た言葉が「おめでとう」
僕は大好きなあの人と本当のお別れをした。
最後のお別れは
今まで一度もお別れをしたことのなかった丸ノ内線東京駅の改札。
大好きの意味を考えると、また少しニュアンスが違うわけで、
ずっと心に残っていたというのが正しいと思う。
とにかく、とても不細工で、理想とは言えない最後のお別れをした。
握手をしようと思ったら、それを避けて
「これでさよならじゃないよ、3ヶ月後とかにまた会うからね」
「いや、これでもう永遠のさよならだよ」
って言いかけると彼女はいつものようにふざける態度で
改札へ向かってしまった。
それでも彼女の顔をちゃんと見てお別れをしなければと思ったが、
寂しさと悔しさ、そして何よりも自分の惨めさにひどく落ち込み、
手を振って笑顔で見送るのが精一杯だった。
彼女は、終始笑顔だったように思える。
心の底からの笑顔では無かったと思うが。
彼女が階段を降り、顔が見えなくなる手前で僕は後方へ振り向き、
一人千代田線の改札へ歩き始めた。
すすり泣きながら、VANSのスニーカーで地面を何度も蹴りながら。
続