抜糸の前に、主治医による状態の確認。仕事復帰してどうですか?と聞かれました。肩は痛くないのですが、装具のせいで、首と腰が痛いですと言いました。先生は、普通の状態でのデスクワークよりも頻繁に短時間で立ち上がるなり、ストレッチしてくださいとのこと。

 

 診察室から処置室へ移動します。傷口に貼られたフィルムを剥がして、皮膚から出ている糸をハサミで切ります。このところ、フィルムの境界あたりの皮膚がむずがゆかったので、剥がした瞬間、爽快な気分になりました。糸が皮膚に食い込んでいる部分はピンセットで取ります。この時だけ、チクッとしました。糸が茶色く変色しているのは、手術時の消毒液の名残でしょうか。イソジンのにおいがしました。

 抜糸というから「傷から糸を引き抜く」のかな、と身構えていたら、ハサミでチョキっと切るだけで、痛みはまったくありませんでした。

 傷口の上に直接、マイクロポアテープを貼ります。皮膚科などでも使われているベージュ色のテープです。10日おきくらいで貼り直してくださいとのこと。そんなに放置して大丈夫なのですね。お湯に浸かっての入浴はあと2週間くらいしてから、意外と先です。


 先生は抜糸の時、メガネの上からハズキルーペをかけていて「もう歳だから細かいところが見えないよー」と言ってました。先生は私と同年代と思います。私は近眼でメガネですが、今のところ、手元は見えてます。ハズキルーペって聞いただけで、あのCMが頭に浮かび(軽い嫌悪感とともに)、先生をオヤジ認定してしまいました、心の中で。尊敬はしていますけどね。しかし現実で細かいものが見えてないのに、あれほど細かい手術ができるの?」と思いましたが、関節鏡は別物なんでしょうね。先生は手際よく、ほんの数分で抜糸を終えました。ハズキルーペは偉大かもしれません。


 主治医が立ち去ると、看護師さんが「それ、高かったでしよ?」と装具をさして聞きました。私が「18,000円以上しました」と言うと、看護師さんが「そんなにするの?でも、買わされちゃったのよね」と、まるで私に買わない選択肢があったかのような、先生がセールスマンで私が買わされた、みたいな口ぶりで言うので可笑しくなりました。手術後、有無を言わさず装着させられることは、重々承知の上で。でも、欲しくて買った訳じゃない、って気持ちを共有していただき、おばちゃん同士のトークで和みました。