これまで健康診断は仕事の繁忙期が終わった秋か冬に受けてました。でも今年は、腱板断裂の手術前に済ませておきたいと思いました。年1回の健診を受けないと、職場で上司からお叱りを受けてしまうので。

 健診当日、受付時に「腱板断裂で手術を控えています」と伝えました。すると検査に行く先々の部署で、大丈夫ですか?などとお気遣いいただいて嬉しかったです。毎年受けているけど、いつも事務的な対応で、こちらも事務的に検査をこなすのみで、話したりすることもなかったのです。おかげで、ほとんど健常者の皆さんと同じように受けられました。マンモグラフィーが痛すぎでうめき声をあげてしまいましたが。唯一「自分でできないのでお願いします」と人の手を借りたのは、腹部超音波検査です。お腹や背中に塗りたくったジェルをタオルでぬぐうのですが、背中側の一部に手が届きません。先生が快く拭いてくださりました。

 逆に今回、最も不安だったのは、胃のバリウム検査でした。板の上で転がる時に両手でバーを掴んで身体を支えるのが、私の右肩が耐えられるのかという点です。結果、後ろ手に支える時に痛みはあったけれど、数秒の我慢で耐えられました。「良かった、ひとつ試練を乗りこえた」と達成感を感じた数日後、バリウムは思わぬ形で、肩とは関係ないところで、私を恐怖に落とし入れたのです。

 (次回へ続く)