控訴すると、裁判所から控訴趣意書の提出期限が決められて通知されます。
この提出期限を徒過しますと、控訴を棄却されますので、絶対に提出期限を守る必要があります(なお、弁護人でも同様であり、控訴趣意書の提出期限を徒過したら、懲戒処分を受けます。)。検察庁の場合は、得意の決裁がありますので、その提出期限から逆算して、末端の検察官が控訴趣意書を起案して、直属の上司に提出しなければならない日が決められます。
まず、やるべきことは似たような事案の控訴趣意書を集めることです。見たことがありませんので、当然のことですが、書いたこともありません。先輩の真似をするのが一番です。刑事事件の場合、原審が簡裁、地裁にかかわらず、控訴審は高裁で審理しますので、その高裁管内の先例までを射程距離にして、検索するいくつかの条件を設定すると、大体数件の控訴趣意書が手許に上がってきます。
これを読んでみて、どういうことを書けばいいのか、どんな書き方をすればいいのかを検討します。たしかにすごいです。控訴趣意書を読めば、すべて分かります。高裁の裁判官は、事案の内容、今後の見通しが頭に浮かぶはずです。