智SIDE








卒業式の前の日の夜、

学校の前で未玖と待ち合わせる。



俺が着いた時にはもう未玖はいた。



普段見ない大人びた私服に、
月明かりに照らされ
はかなげな表情を浮かべる未玖。


ちょっぴりときめいた。




智「ごめん、待った?」


未玖「うんん、大丈夫。」


智「これ、描けたやつ。」

紙袋に入った似顔絵を渡す。


未玖「ねぇ、見ていい?」

未玖は楽しそうに聞いた。

智「えー、恥ずかしいから。」


と言った時にはもう遅くて…。



未玖「……わぁ、綺麗……。」


俺の描いた未玖が月明かりに照らされていた。



未玖「…ありがとう。

ねぇ、似てるかなぁ?」


そんなこと言って未玖は似顔絵をこっちに向け、
無邪気に笑っている。



ただ…それだけのことなのに、
その時は鼻の奥がツンとした。

でも、未玖の前では泣かないと決めてたから、

作り笑いをした。



智「…よかった、喜んでくれて。」


未玖「…うん。」



俺達の間に春めいた風が流れる。


もう、俺達に時間はない。






——chu———





未玖は背伸びして、
俺と唇を重ねていた。


未玖「…だいすき。」





無理に作った笑顔はあっという間に崩れ、

俺は溢れるがままに涙を流した。




頬を伝えたその雫の中に
仕舞いきれない思いの残骸が閉じ込められている。



智「ごめん…格好悪ぃな。」


未玖「…ううん。」





俺達はしっかり抱きしめあった。







未玖「…そろそろ、私門限。」


智「あっ、そうだよな。

じゃあ…、また。」


未玖「…うん。バイバイ。」













やっぱり無理だったね、
笑顔でバイバイは…。







続く★



もうそろラスト!